そして、結末。
結婚なんて単純なものだと思っていた。
自然に恋が愛に変わって、想い人と結ばれるものだと思っていた。
自分の立場や家の発展など些末なものだと思っていた。
けれど、実際は違った。
そんなのは子供の価値観だった。
政略的な婚約をした女性と、
運命的な出会いをした女性のどちらかを選ばなければならなかった。
打算的だった。
そんな自分に幻滅した。
結婚はもっと運命的ものだと信じていたから。
滾る恋心を必死に押さえつけて、極めて冷静に考えた。
そして、ヨーゼフは答えを出した。
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「ねえ、パパ」
「なんだい? アリシア」
「パパ、ママ以外の女の人と結婚しようとしたって本当?」
「ぶはっーーー!」
「パパあ、お茶吹き出しちゃダメなんだよ?」
「ごめんごめん。でも、誰からそんなこと聞いたんだい?」
「ハンブラさんっ!」
「……なるほどね」
「何でパパはママを選んだの?」
「ふふっ。こっちおいで」
「わーい」
「ほら。良い子だ」
「で、どーして?」
「それはね、ママをこの世で一番愛しているからだよ」
「そーなんだっ! ママ可愛いもんね!」
「はははっ。間違いない。でも、それだけじゃないんだよ」
「どういうこと?」
「アリシアも大人になればわかるよ」
「ふーん」
「おっ。ママが帰って来たぞ」
「あ、ホントだっ! ママあ!」
「ったく、おてんばなんだから」
ヨーゼフは母親に駆け寄っていく娘に微笑んだ。
「サーシャ、君にそっくりだよ」
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追伸
ナポリタンバイヤーはこれを書きながら私がナポリタンを食べていたからです。