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ワンダーワールドⅡー2   作者: 白龍
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森の頂上決戦

アジトにて、さらわれたクラナは大広間の真ん中に設置された十字架に捕らわれていた。

目の前には、右手にナイフを持つバリバが立っている。

「改めて確認させてもらおうか」

バリバはクラナの頬をナイフでゆっくりと切りつける。

一瞬声をあげるが、必死に耐え抜くクラナ。

鉄製の床に落ちる赤い血。クラナの頬には切り傷が刻まれたが、五秒ほどですぐに再生した。

「再生力が上がってるな。やはりリューガの娘。気づいていないだろうが、もう既にお前は第二のリューガへと近づいている…」

「第二の…?」

バリバは、今度は引き伸ばされたクラナの右手にナイフを突き立てた。

「そうだ。れなたちが倒したリューガは、悪意の塊だった。そんなやつの魔力から生み出されたお前もまた、本来悪意でしか構成されていない、この世にとっては害でしかない存在なのだ」

ゆっくりナイフを動かす。クラナの腕に刻まれていく赤い傷。

震えながら頭を動かすクラナ。バリバは可笑しそうに柔らかい微笑みを見せる。

「お前はここで死ぬのが筋だ。再生力こそ高いが、今の状態なら無限に傷を癒せる訳ではない。このまま死ぬまで切りつけ続けてやろう」

「どうしてそんなに私達を苦しめようと…」

クラナの必死の問いを、バリバは嘲笑う。


「前はああ言ったが、闇姫軍に介入してもルークワースという居場所を捨てるつもりはない!リューガの血を引くお前達を殺せばルークワースの評価も上がるという事よ。お前達のようなゴミ同然の存在は、利用するしかないだろ!ましてやお前らには人権もないからな!」

話していくうちに興奮したバリバは、額にナイフを突き刺した!!

クラナは声にならない叫びを上げ、額から吹き出た自分の血を見て青ざめる。

「…折角だからお前の兄を待ってやる。やつの可愛い妹だ。やつの目の前で、できる限り残酷に殺さなくてはならないな。四肢を切り裂くか、それとも首を引っこ抜いてやつの前に転がすか?…フハハハハ!!」

バリバの笑い声が、大広間に響く…。



「やっ!!おりゃあ!」

れなはキメラヒューマン、略称KH達を次々に殴り倒していた。

ハエ怪人達のチームワークも通用しない。飛び込んできたやつから拳をぶちこんでやるだけだ。


「!はりゃ!!」

一際強い風が吹き、れなは背後からの襲撃に気づいた。

振り返り、直ぐ様蹴りを放って襲撃者を受け止めた!


相手は海洋生物のシャコのような怪人。いつぞやに戦い、腕を折られたシャコ怪人だ。

だが、れなはもうこんなものには負けない。シャコの拳を足で受け止めたまま、れなは左手を振り下ろしてシャコの拳に手刀を食らわせた!

痛烈な衝撃が拳を通じてシャコの全身を巡る。

たまらず腕を引っ込めた隙に、れなの更なる反撃!蹴りを叩き込み、シャコは吹っ飛ばされる。

地上から見れば、青い月をバックに幾つもの影が慌ただしく飛び回ってるように見えるだろう。芸術的な光景だが、状況はそれどころではない。

ある程度KHを地上の森へと叩き落としたところで、れなはアジトへ侵入しようと入り口を探し出す。

飛び回るれなを追いかけるKHの軍団。生物兵器はしつこいのだ。

必殺光線のオメガキャノンでさっさとケリをつけようと右手を構える…。


その時、一人のハエ怪人が、突然空中でよろめいた。

「!?」

周囲を見渡すれな。その間にも、次々にKH達が落ちていく。


耳をすますと…遥か遠くから、激しい発砲音が聞こえてくる。

この音は…ライフルだ。



「…葵!」

れなは分かった。遥か遠くから、葵が狙撃しているのだと。



「…あそこだわ」

葵はれなの力が夜空で荒れ狂っているのを感じ、森の上空から狙撃を始めたのだった。

森は西地帯と東地帯の二種類に分かれ、今れながいるのは西、葵が住むのは東。遥か離れた反対方向だ。

しかし、葵が今持つ彼女のオリジナルカスタムライフルであれば、狙撃主のスキルさえあればこの距離でも弾丸を当てられる。

「…空気の流れ的に、あっちね」

冷静な呟きと、派手に弾ける発砲音。葵は遥か先の空気の僅かな流れで、KH達の動きと位置を把握していた。


KH達は見えない狙撃主に困惑するしかなく、やがて十体ほどになってしまう。

「ありがとう葵!今度靴下奢るわ!」

叫ぶれなはアジトに潜入しようと近づくが、KHはしつこい。

シャコ怪人がれなに拳を振り下ろし、スズメバチの頭を持つ怪人は毒針を突き刺そうとしてくる!

舌打ちしながらかわすれな。



だがKH達も今度こそおしまいだ。

突如夜闇に紫の閃光が走り、KH達に何者かが斬りかかる!


十体のKHは一斉に落ちていく。


…駆けつけたのは、紫の髪を美しくなびかせるラオンだった。

「ったく、お前は私達を頼れ!Fは事務所でドクロが見てくれている!隙を見つけたら他の仲間も呼ぶ!早く侵入しろ!」

この様子から、どうやら葵に呼び出されたようだ。

苦戦に苦悩していたれなの顔に笑みが浮かぶ。

ラオンにグッドサインを送ると、今度こそアジトへ飛び込む!

窓に向かって突撃し、右手の拳を突き出して派手にかち割った!


同時にアジトの壁が再び展開し、KHの増援が一斉に飛び出す!

「かかってこい下等生物!」

ラオンは紫のスカートの下の太ももに巻いたホルスターに引っかけたナイフを取り出した!





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