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ワンダーワールドⅡー2   作者: 白龍
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デサイアとキュバスの宝石騒ぎ アホパリア

クラムアという謎の人物の襲撃にあった村で、怪物に化ける謎の宝石を見つけたデサイアとキュバスは、ある場所にやって来ていた。

真っ赤な空の下にそびえ立つ漆黒の城…二人の元職場である、闇姫の城だ。

巨大な城門の前で、牛頭に黒い鎧の悪魔兵士たちに宝石を差し出し、交渉を試みていた。

「この宝石凄い力があるのよ、この宝石とあんたらの軍資金で取引…」

「石っころ一つで軍の支えを渡せるか!」

悪魔兵士は二人を突き飛ばす。城門前の大橋の上に叩きつけられる二人。

「闇姫様は信用できる物だけを取り入れろとご命令を出されてる。そんな得体の知れない石を裏切り者のお前らから受け取ってたまるか!」

ふてくされた顔で去っていく二人を、悪魔兵士は顔をしかめながら睨んでいた。




…そんな二人の帰り道。


闇の国から出た二人だが、どこかでルートを間違えたらしく、吹雪が吹き荒れる雪山に出てしまっていた。

一メートル先も見えない吹雪。二人の翼に雪がくっつき、風もあって上手く飛べずに段々と降下していった。

「もおお!!キュバスが石を売ろうとか言い出したせいだ!」

「仕方ないでしょ!強欲な闇姫なら買ってくれると思ったんだから…」

口論をするうちに降下していく二人…。


途中で翼から力が抜け、うっかり高所から落っこちてしまった!

「いやーーーーん!!!」

真っ逆さまに落ちていく二人!



だが、そんな二人を受け止めるあるクッションがあった。

この猛吹雪のなか、一人呑気に昼寝をする水色の帽子と厚着、赤いマフラーに水色の瞳の少女…。

こいつは闇姫の友人悪魔のパリアだ。

デサイアとキュバスは運良くパリアの上に落下し、そしてパリアは運悪く二人の体重を腹に受け止めてしまう。

「ごぶ、ぼおおお!!」

奇妙な叫びと共に、パリアの全身の冷凍エネルギーが口に流れだし、強制的に冷凍光線を吐き出した!

間一髪、デサイアとキュバスは急いで立ち上がって回避するが、水色の閃光を放つ冷凍光線は吹雪をも突き抜け、空中に巨大な氷を作り上げた!

氷は三人の頭上に落っこち、雪積もる大地に炸裂し、周囲を純白に染める!

これも二人は間一髪回避、パリアだけが自分の氷に潰された。


「何でパリアが寝てんのよ!!」

歩きにくい雪の上を震えながら逃げていく二人。

その時、二人のすぐ後ろの氷が青白く光ったかと思うと、真っ二つに割れてしまった。

そこから出てきたのは、水色の光を放ちながら二人を見下ろすパリアの姿が。


「何すんじゃボケエエエエ!!」




昼寝を邪魔されたパリアは怒り狂い、両手から水色の冷凍光弾を発射してくる!光弾は雪の上に落ちるとその場に氷の棘を作り出す。

その棘に更に光弾がぶつかると、棘が分散し、デサイアとキュバスに向かってくる!

パリアの実力は二人より遥かに上。棘の狙いは正確で、二人に次々に直撃していく!

パリアと戦って勝てる訳がないと分かっていた二人は一切反撃しなかった。

あっさりと撃ち落とされ、冷たく硬い雪の上に落とされてしまう。

「ぐうう、動けない…」

動けない二人にジワジワと歩み寄るパリア。このままでは昼寝を邪魔した代償として、命を払う事になってしまう!


(はっ、そうだ…)

デサイアは力を振り絞り、胸元に隠していた宝石を取る。

それをパリアに捧げ、命乞いを始めた。

「ま、待ってパリア!これあげるから許して!」

「許すと思うか…人の昼寝を邪魔する罪の重さをお前らは理解して…」

パリアの歩みが止まる。

そして、デサイアの手元から宝石をぶん取ると、まじまじと見つめ、突然満面の笑みを浮かべる。

「何これすごい!めっちゃ綺麗じゃん!」

パリアも悪魔だ。この宝石の魅力が分かるのだろう。

パリアの水色の瞳に黒い光が映り、鈍く輝く。

デサイアとキュバスはこの宝石を手放すのは少し惜しいと思ったが、身を守る為だ。仕方ない事だった。

…それでもやはり欲に目が眩んだようで、こんな事を聞いてみた。

「…あ、あのー、お金…」

「え?なんて?」

二人を見るパリアの目からは光が消えている…。二人は、急いで目を背けた。

まあどちらにせよ満足なようで、パリアは宝石を投げてはキャッチしてを繰り返して遊んでいた。

…のだが。

「あ」

一瞬吹雪の勢力が高まり、宝石は飛ばされ、先程の戦いで形成された棘氷の塊へ向かっていく!

棘氷にぶつかると、宝石はガラスが割れるような音と共に砕けてしまった。

バラバラになった宝石からは黒い煙が吹き出し、白い吹雪のなかに消えていった…。

沈黙する三人…。



「…やっぱりあんたなんかにあげなきゃ良かったわああああ!!」

二人は泣きじゃくりながら翼を広げ、吹雪の向こう側へと飛んでいった。

間抜けな表情で二人を見送るパリア…。


それにしてもあの宝石は何だったのだろうか?

砕けてしまった今、それを知る術はもう残されていなかった…。

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