兄妹愛 闇姫軍兵士
Fとクラナが森を散歩している途中、突如ある者達に襲われた。
黒い鎧を身に纏い、手には黒い剣を持つ騎士達。その姿を見ただけで、Fは彼らが闇姫軍の使いである事を悟った。
茂みと鎧の音がジワジワと迫るなか、Fはクラナの前に立って彼らを睨み付ける。
「クラナ、動くなよ」
Fの後ろに隠れて怯えるクラナ。Fは彼らの攻撃が来る前に、先手必勝とばかりに向かっていく!
兵士は重い剣を軽々と振るうがFは飛び蹴りを繰り出し、回避と攻撃を両立させる!
背後から切りかかってきた兵士に対しては後ろ蹴り。
倒れたところへ更にかかと落としを食らわせ、立ち上がれないようにする。
真正面から向かってきた者に青コートのポケットからハンドガンを取りだし、兵士の兜目掛けて発砲する!
乾いた音と共に、兵士は一瞬よろめいた。Fはすぐさまそこへ飛び回し蹴りをぶちかまし、転倒させる!
「きゃ!!!」
突然小さな悲鳴がした。
振り替えると、そこには兵士に頬を切りつけられたクラナが。
妹を傷つけられた怒りでFは今まで以上の速さで接近。体を斜めにして両足を地面に擦り付けるようにして軽快なカーブと共に、兵士の腹部に回し蹴りをお見舞いした!
鎧も意味をなさない程の衝撃だった。兵士達は慌てて茂みに飛び込んでいき、逃げていく。Fはわざと外すように発砲してみせた。
「血が出てるな…畜生、あのクソ野郎共め!」
「お兄ちゃん大丈夫!」
元気に立ち上がるクラナだが、その傷は深い。
こんな所は早く抜けようと、二人は足早に森の出口を目指していく。
…クラナを切りつけた兵士は、ある程度逃げていくと足を止め、剣に染み付いた赤い血を見つめて悔しそうに歯を食い縛る。
どうやらこの兵士がリーダー格のようで、他の兵士達はやたら低姿勢で彼に接している。
「それにしても、何故闇姫様はやつらを狙うのです?ただのガキどもにしか見えませんが」
「分からんか。あの兄妹は普通の人間ではない。闇姫様は詳しい正体もご存知らしい。まあ、俺も知らないんだけどね」
部下兵士達は若干戸惑いつつも互いに頷きあう。
「まあ闇姫様の指示通り、俺達はやつらを狙えば良い。あのFってやつもあの通りの強さだしな」
…場面は戻り、クラナはFに背負われて嬉しそうだった。
「お兄ちゃん、やっぱり強いね。そんなお兄ちゃんが大好きです!!」
(…れなのやつがまた変なもん吹き込みやがったな)
明らかにいつもと比べて話し方がおかしいクラナ。れなの真似をしているのだ。
ふと、Fは空を見上げる。
綺麗な空だ。
森の木々がまるでフレームのようになり、青空は一枚の写真のようにも見えた。
こうして空を見ていると色々な思い出が甦る。
れなたちと戦った時の事や、スタレタウンでのバリバとの戦い。
…それでも、自分達の過去の事は未だに思い出せなかった。
「…お兄ちゃん、私達、ずっと一緒にいられると良いね」
クラナが突然、意味ありげな一言を発した。
勿論Fはそれを願ってるが、一瞬戸惑った。
なぜ、突然そんな事を言うのだと。
「…そうだな」
そう答えるしかなかった。
…Fの背中で、クラナは不適な笑みを浮かべていた…。




