表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワンダーワールドⅡー2   作者: 白龍
25/57

クラナシュート

「れな!サッカーしよう!」

突然の事だった。研究所にサッカーボールを持ったクラナが立っていたのは。

その後ろには、赤いスクール水着のような服に赤い髪の女デサイアと、紫色のスクール水着のような服、紫の長髪に黒い二本角を生やした女キュバスが。

二人の悪魔を連れて、サッカーしようとは何事だ…。


どうやらクラナは散歩中に偶然二人に出会い、サッカーチームを結成したらしい。どういう成り行きでそうなったのだろう。

とりあえずれなはラオン、葵の三人を呼び、公園で合流した。

デサイアはクラナの頭を撫でて可愛がっている…。その横で、キュバスはれなを指差してこう言った。

「この戦いで私達が勝ったら、あんたのそのリボンをもらうわ!」

今回はれなの胸元のリボンが目的だ。いつもなら戦って力づくで奪おうとしてくるのに、なぜ今回はサッカーなのか…。

とりあえず、れなは自分とラオン、葵の三人のアンドロイドチームとして、クラナチームと戦う事にした。



公園に吹き荒れる暖かい風に吹かれ、二つのサッカーゴールの間で、決戦を開始した!

まずはクラナがボールを蹴り、見事なドリブルと共に向かってくる!

れなは自慢の脚力で彼女の妨害に集中するが、クラナは意外とスラスラとかわしていく。

「おんや、中々やるどす…」

れなはねっとりとした口調で呟く。

クラナはラオンと葵の守りも平気ですり抜け、あっさりシュートを決めてしまった。

「見てキュバス!やはりあの子はやるわ!」

どうやらデサイアとキュバスはクラナの運動神経を見透かしていたらしい。純粋な性格な事もあり、利用しやすかったのだろう。

それからもクラナのシュートは続き、試合開始六分ほどで三点もクラナの活躍でとられてしまうアンドロイドチーム。

「くっそー!このままじゃやばいぞ!」

焦るラオンは震え上がり、葵ですら黙り込んでしまう。

よく見るとデサイアとキュバスはほとんど動いてない。実質三対一なのにも関わらず、この様だ。

れなはこれからとられようとしているリボンを不安げにいじりながら、作戦を考えていた。

(このリボンがとられれば…私のキャラ要素が薄くなる!)

このリボンはバナナヘアーと並ぶトレードマークの一つ。何としても取られる訳にはいかない!

れなは戸惑いつつも、ある作戦を実行した!


「…あ!」

突然れなは声をあげ、向こうの方を指差した。

クラナは驚き、指差した方向を見る。

(クラナごめん!まじでごめん!!)

だがリボンをとられない為だと脳内で連呼しつつ、れなはボールを蹴ってゴールを目指していく。

デサイアとキュバスは流石に不意を突かれ、急いで止めようとするが、間に合わなかった。

れなの足はボールを蹴飛ばし、そのままゴールへと直撃!

デサイアは呆然とボールを見つめた後、がに股でれなに近づく。

「ちょっとおお!それは卑怯よ!!」

「黙れ!このリボンを取られれば私のキャラが実質崩壊する!」

胸を張るれなだが、そんな彼女を見るラオンと葵の目は呆れ気味だった。


「ふほほほほ、葵、ラオン。安心せい。まだまだ作戦は用意してある…」

れなは、ふとクラナを見た。


ゾッとした。








れなを見るクラナの目は…恐ろしく冷ややかだった。

いや…というより光が宿っていなかった。


この目は…。








れなとクラナだけに、スポットライトがかかった。









「…もーひどいれな!!許さない!」


…クラナの目に、光が戻る。



(な…なに…今の。…いや、気のせい…だよね…?)

れなは、首を軽く振る…。



「くらえ!!」

「え、ま、ちょ」

れなの意識を置いてきぼりにするように、クラナは足先に力を込め、思い切りボールを蹴飛ばした!!

ボールはれな、ラオン、葵の真横を通り抜けるが、その速度は肉眼では捉えられない程の速度だった。

ボールはそのまま空を飛び、空の果てへと消え、直後、ボールが発火したと思われるオレンジの光が輝いた…。



クラナを除く一同は…ただ呆然と空を見上げる事しかできなかった。

クラナ本人は、ボールが思ったよりも吹っ飛んでいった事に驚いているようだが…。


れなは、ここで初めて彼女に違和感を覚えた。




結果は…アンドロイドチームの惨敗だ。

十対一の大きな点数差だった。

約束通り、嫌がるれなからデサイアとキュバスは無理やりリボンをむしり取ったのだが…。


「…よく考えるとあんたの胸なんかについてたリボンとかいらないわね」

…という事で、無しになるのだった。

今回の件は、れなにとっては色々と複雑なものを覚える出来事となるのだった…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ