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ワンダーワールドⅡー2   作者: 白龍
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薬屋のキメラヒューマン サソリ型キメラヒューマン

れなたちがまだ知らない地にある、ルークワースの本拠地…。

そこに囚われた少女、クラナ。兄の助けを待ち、今日も鉄格子の向こうのバリバを睨みつけている。


「ライデンと例のアンドロイドの仲間が交戦した模様です」

縦長の石のような帽子を被ったルークワース上級兵が、ライデンの戦績をバリバに報告。

「あのアンドロイドたちにも注意する必要があるな。やつの協力を要請するか」

こちらを睨むクラナを横目に、バリバはポケットからスマートフォンを取り出した。


…その頃、テクニカルシティの小さな薬屋の倉庫にて、背の低い小男が受話器を左手に、髭をいじりながら話し込んでいた。

「…はい。貴殿方から頂いたKHキメラヒューマン、存分に使わせていただきます」

男は受話器を置くと、倉庫から出ていき、客たちの待つ店内に戻る。


薄暗い倉庫から出ると同時に、男の顔には活気が溢れ、社会貢献する良い店員を演じた。

目の前には黄色いツインテールに緑の瞳の少女…れなが立っていた。

「ねー店員さん。虫と会話できる薬があると聞いたのですが」

(思ってた以上に変なやつだな…)

男は、当たり前のように変な事を話す目の前の標的に、困惑の汗を流した。

だが調子は乱れてない。男はその標的、れなをある部屋へと案内していく。

清潔感溢れる商品棚をチラチラと見ながら進むれなに、男は疑問を感じていた。

(こんなアホを脅威と見てるのかバリバ様は…?)

まあ標的は標的だ。男は先程の倉庫へと案内していく。

お馬鹿なれなは、明らかにおかしな部屋に連れ込まれてるにも関わらず何の疑問も抱かずに入っていく。

まんまと罠にかかったれなに、男はにやつく。


薄暗い倉庫に入ったれなは、どこに虫と会話できる薬があるのかと不思議そうに首を動かした。


「くくく…思ってた以上の馬鹿だな」

れなは、目の前で背を向ける男に首を傾げる。


…同時に、れなの背後から響くドアが閉まる音!

薄暗い倉庫は、更に薄暗くなった。

「!!」


同時にれなの背中に衝撃が走る!

彼女を構成する全身のあらゆる部品に異常が走るのを感じた。

男が目の前にいるが、関係ないとばかりに正面に飛び出すれな。

直ぐ様振り替えると、そこには紫色の体に赤い両目、サソリのような顔とハサミ、尻尾を持つ怪人が!

「くくく、お前はルークワースの敵なのだ。このサソリ怪人で、貴様をこの場で堂々処刑してやるわ!」

「ルークワース…?」

思い通りに声も出ないれなに、男は語る。

「ルークワースとはこの社会の裏に潜む秘密結社!大企業も契約を結ぶ巨大組織で、このモンスター、キメラヒューマンを提供してくださるのだ!!」

サソリ怪人は右のハサミを構えながら飛び出し、れなを突こうとする!

単調な動作だが、れなは何故か避けずに両手で攻撃を防御した。

しかしサソリ怪人はれなの足に蹴りをお見舞いする!

人間の原型がある足は力強く、れなはバランスを崩す。体勢を立て直そうにも、体が思い通りに動かない。

「どうだ動けんだろ。こいつの毒はアンドロイドにも通用するように作られてるのだ。さすが!ルークワース!サイコー!」

男はルークワースの科学を自慢しつつ、更に語る。

「この店とルークワースは裏契約を結んでいてね。時々やって来る気に入らない客はこいつの毒で硬直させ、ルークワース本拠地へ実験台として送ってるのだ」

べらべら話す男。

れなは、衝撃は受けなかったがこの非情の計画に怒りを燃やす。ルークワースという聞き慣れない組織にも、怒りが燃え上がる。

毒で震える足で何とか立ちつつ、サソリ怪人のハサミ攻撃をかわし続ける。

「中々しぶといな。ここいらでとどめと行くか!」

男が指を指すと同時に、サソリ怪人は毒の尾っぽをれなに突きだす!


だが、経験が違うのだ。

れなはあえて体から力を抜き、毒でふらつく事で尾っぽを回避。転ぶ寸前でその尾っぽを掴み、サソリ怪人を道連れに転倒する!

絵面は悪いが効果的だった。

「ルークワースだか何だか知らないけど…許さん!」

れなは力を振り絞り、サソリ怪人を持ち上げ、回転する。

男は予想外の事態に慌て、対応できない様子だ。


「うおりゃああああ!!」

投げ飛ばされるサソリ怪人!怪人は男に直撃して吹っ飛び、商品棚を幾つも転倒させつつ倉庫の壁に直撃し、そのまま壁を突き抜けていった…。


その後、れなの証言でこの薬屋の裏の顔が暴かれ、警察が動き出す事態となった。

れなの証言時、警察官はルークワースというワードを聞いて顔を歪めながら仲間と軽く相談しあうのをはっきりと目撃した。


「…ルークワースの仕業だ」

「やつらが相手となると、面倒な事になるぞ」

どうやら、相当厄介な組織が相手となるようだった…。

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