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陰キャ配信者に高校生活は似合わない  作者: E氏
プロローグ
1/46

僕のはじまり 

僕は小学生のときから配信者に憧れていて、中学1年のときに配信者になった。そこからなんとか底辺から這い上がって、

高校に入る頃には、超有名配信者になっていた。

この世の中には大きく分けて2種類の人間がいる。一つは、人に対していつでも明るく振る舞うことのできる人間。もう一つは、人に対して怖がりで、コミュニケーションを取ろうとしない人間だ。

いわゆる『陽キャ』と『陰キャ』である。

人は陰と陽どちらが良いかと問われると大抵の人は陽の方を取るだろう。だが、僕は取らなかった。僕は一つ青春を捨てた。ただ、僕は“全て”を捨てた訳じゃない。僕が残したことは学問、そして

配信者生活という青春を残した。


「今日の授業はここまで。明日までにここの範囲をやってくること!」

お、5限が終わった。

「起立、礼。」

これでやっと帰れる。はずなのだが…

「西島君。」

またか。いいや、今日は無視して帰ろう。僕が関わっていい人じゃない。

「西島()()太君。」

違うな。僕の名前は西島玲太で『つめた』じゃなくて『れいた』だからな。全く、どう読んだら『玲』が『冷』になるのやら。

そうして、僕は、話しかけてくる女子をガン無視してリュックを背負って教室を出ようとした。

「待って!話があるの!」

クラスの人が大勢いる中で大声を出すなよ…

クラス中の人たちの目線が僕と女子に向く。何故かはわからないが女子の方には庇護するような目線は向けられ、僕の方には冷酷な目線が向けられた。まぁそうだろうな。スクールカーストってすげぇなと内心実感した。

「オイ、何てめぇみたいな陰キャが祐奈さんの話を聞かずに帰ろうとしてんだ?あぁ?」

それに合わせて周りの人たちも「そうだそうだ」と便乗している。当然コミュ障な僕は、

「わ、わわ…分かりました!ちょっと本庄さん、ば、場所をか、かか変えてで良いですか…?」

このザマなんだ。

僕はこの本庄という女子を連れて急いで教室を出て使われていない学習室に入った。疲れた…運動神経がほとんど0の僕には廊下ダッシュだけでもヘトヘトになってしまった。

数分後しばらくして本庄が口を開いた。

「あのさ…ごめん…」

としょんぼりした声でつぶやいた。

「気にしてないからいいですよ。それに、怪我も()()みたいに負ってないので。」

そう、()()は。


遡ること2日前、昼休みの事…

僕は、クラスの人の大半が屋上にいって、ほとんど人の居なくなった教室の隅に陰キャ仲間の二人と一緒にひそひそと過ごしていた。

「なぁ玲太〜、お前の昨日の動画見たぞぉ〜、もう30万再生いってんじゃん〜。」

「そうです!すごいですなぁ!」

おっとりした喋り方の方は柳瀬良でこの便乗してる方は三浦灯夜。この二人は僕が配信者ということを知っていて、一緒に遊んだりして貰っている仲だ。

学校でこんな話ししていて大丈夫なのか?と思うかもしれないが、陰キャの喋りで

「こんにちは」

「でゅふひひっは」

もしくは

「¥\§”¶∂♡♀#」

というふうになる。陰キャしかわからない独特な話し方だ。素晴らしいだろう。さて、こんなのはおいといて、話に戻る。

「今回、二人に手伝ってもらっても編集時間6時間もかかったんだぞ!いやー、よく頑張ったよ!ありがとう!」

僕はニコニコしながら答えた。するとここで、予想外の事件が発生した。

「陰キャ君たち、何見てんの?あっ、その配信者おもろいよね!私も見てるんだ!」

本庄が来てしまった。

僕は、必死でスマホの電源を落とそうとした。なぜかって?

『僕のtwitterのプロフィール画面』が映っていたからだ。

そして、運が悪いことにスマホがフリーズしてしまった。

ピギャァァァァァァァ

本庄が驚いた顔で一言つぶやいた。

「え?…嘘…でしょ…?あなたが…R氏…?」

場が凍りついた。僕は急な展開に頭が追いつけず、恐怖心だけが残り、手が震え、心拍数が上がっていた。他の二人は真っ白な顔をして静止していた。

僕が何もできないでいると、本庄は、顔を赤くして、教室を走り出て行った。

数十秒すると気持ちが落ち着いて、頭が回転してきたころに、灯夜が震える声で僕らに話しかけた。

「ま…まだ、玲太がR氏って事が確定した訳じゃないから、大丈夫だよ!今日の配信もいつも通りやっていけば、本庄さんも勘違いだったと思ってくれるよ!」

灯夜の一言のお陰で、僕らは気が少し楽になった。

「そうだよな〜、いつも通りやれば、まだ取り返しがつくもんな〜」

「そうだな!よし、今日は家に早く帰って張り切って配信するぞ!」

ここで、昼休み終了のチャイムが鳴った。

あと2限、授業に集中だ!と、僕は内心で叫んだ。


「起立、礼。」

あっという間に6限が終わった。昼休みの事件があったためか授業の内容が全く頭に入ってこなかった。さて、帰って配信の準備でもしよう。

そう思ってリュックを背負い、教室を出ようとしたとき、

「西島君!」

声をかけられたが、関わる必要がないと判断した僕は無視してをして帰ろうとした。その結果、

「テメェェェェ!!」

バコン!!

「かハッ…?!」

思いっきり後頭部を殴られた。急な事態に一瞬意識が飛びかけた。後ろを振り返ると、カースト上位の篠原太一と本庄率いる人たちが立っていた。見ていると篠原などの男子が憤怒の表情をしていて、他の女子は冷たい目線を僕に送りつけていた。

ただ、本庄だけは申し訳なさそうな顔をしていた。

こんな状況僕が耐えられるはずがない。

「ごめんなさい…!!」

僕はそう言い残し教室を走り出した。無論僕は精神的にきていたので、その日に配信は出来なかった。

これが()()だ。


「この前は、本当にごめんなさい。」

本庄はかしこまった言い方で僕にそう告げた。言葉が少しかすれていた。陽キャが僕みたいな陰キャに必死に謝罪しようとしているところが見たくなかったので、僕は口を挟んだ。

「殴られるような態度をとった僕が悪いし、陰キャが陽キャにぶん殴られるのもしょうがないことだから、そこまで謝らなくても…むしろ一番の罪悪人は僕なんだから…」

しかし、本庄はエスカレートしてしまった。

「私が、()()太君に関わらなければ…こんな事にぃ…うわぁぁぁん!」

ああ、やってしまった…高校生活最大の禁忌、女子を泣かせてしまった…

どうにかして泣き止ませる為、数分ほどクールダウンをとった。

なんとか泣き止んでくれたようだ。

「これ、ハンカチです。落ち着いてくれましたか?謝罪はもういいので、今日の本題をお願いしてもいいですか?」

と、声をかけてハンカチを渡すと、本庄はそれで涙を拭き僕に目を合わせて口を開いた。




二作目?ですかね。また、今後ともよろしくです!

ByE氏

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