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国亡キ者たちの物語  作者: ヤトiヌシ
1/6

プロローグ その1

 これは読まなくてもokです

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 「隣の〇〇国は最近急速に軍拡を進めておりーーー、我が国もきちんと備えをしなければなりません。」


 俺の1番古い記憶はこれだ。アメリカが衰退してから長い時が経ち、戦争の恐ろしさも薄れ始めた頃にまた人類は戦争に向かおうとしていた。そんな中、古くから続く名家である我が家は様々な事を学ばなければならなかった。


 日本の文化、武道、戦術、政治経済、など沢山の事を学んだ。そして父親は軍人であり、なかなかの階級にいたらしい。


 「お前は何をしている」


 「ごめんなさい、おとうさん、ともだちがやっていたゲームがたのしそうだからしていました。」


 「いいか辰明タツオキお前は分家とはいえ足利の血を引いている家系だ。恥が無いような人間になって、神代家クマシロに恥の無いようにならねば、ならん。だから、ゲームなどをしてはならん。わかったなら、明日返してきなさい。」


 我が家はゲームが出来ないほど厳しかった。そして剣術、武術ではコテンパンにやられて座学ができなかったら、とても叱られた。そんな生活をおくっていた。


 「おとうさんは、おれのことがキライだから、いじわるするんだ」


 とお母さんにある日、お父さんがいる前で言った。そんな俺にお母さんは


 「お父さんは貴方のことを思って言っているのですよ。だから、頑張りましょうね。今は分からなくても、大きくなればかります。」


 優しく諭してくれた母親に向かって


 「おとうさんも、おかあさんもキライだー。」


 そう言ったら、


 「神代家たるものが、なんて軟弱な事をいうんだ。」


 そう言われてお父さんにゲンコツを落とされてしまった。


そう言って、家を出て行ってしまった。そんな時に家の執事の爺が俺の事を向かいに来てくれた。


 「辰明様、あなた様はとても頑張られています。ご当主様、奥様も褒められているのですよ。お二方ともご心配になられていらっしゃいますので、お帰りしましょう。」


 爺に優しく言われたので俺は大人しく帰った。家に帰るとお母さんは心配していてくれたが、やはりお父さんは心配している素振りを一切見せていなかった。


 俺はお父さんに褒めてほしくてその日から一生懸命に勉強や武術を勉強した。けれど、お父さんは1回たりとも俺を褒めてくれる事は無かった。からますます嫌いになった。

 

 そんな風に日々を過ごしていた時、お父さんが事故で亡くなったとお母さんから伝えられた。その時はお父さんの事が嫌いだったので泣きはしなかったが、少し寂しく思った。


 お父さんが亡くなってから我が国は戦争状態に入った。その時のおれは6歳だった、けれど勉強や武術の勉強などは相変わらず続いた。

 

 そんな幼少期を送りながら俺は15歳になった。そして戦争も10年に突入するであろう時期に俺は義務教育期間を終えていた。そして、学徒動員により俺も明後日には軍隊に属する事になる。


 2日間は無情にもあっという間に進んでいった。そして2日後の朝にはお母さんと、爺が見送りをしていてくれた。


 「辰明これを持って行きなさい。」


 そう言った渡されたのは、我が家の家宝と言われている、刀と球が入っているであろう、二つ引両の刺繍のされたお守りであった。


 「これは何ですか」


 俺は、なぜ銃火器が主な戦場に刀も持参しなければならないのかと、シールドがあり銃の攻撃をある程度守れるとは言えやはり近接戦の機会は少なく、弾を浴び続けたら壊れる。そう思い尋ねてみた。


 「我が家は、鎌倉時代から錆びない刀と、1度も見られていない球を持参して戦っていたのです。そして、これを持った当主はどんな戦でも死なずに必ず生き残ってきたから、この2つを持っていくのですよ、お坊っちゃま」


 爺が答えてくれた。そして


 「貴方には沢山の事を教えてきたつもりです。今回の戦でも役に立つでしょう。それでは気をつけてください。言いたい事は沢山ありますがこの手紙に書いているので読んでくださいね。」


 そして、手紙を貰ってお母さんや爺、刀とお守りに勇気を貰って俺は、


 「行っています」


 そう言って重い足取りで地獄へ向かって行った。俺の涙は出なかったが、やはり、恐怖と不安で押しつぶされそうであった。そして手紙を貰った事を思い出しておれは手紙に目を通した。


〜お母さんの手紙〜


 辰明には小さい頃から、遊びに行った事も無く話す時間もご飯以外にあまりありませんでしたね。辰明は小さい頃からひたむきに努力をし続けて、溜め込んでいまいましたね。そんな辰明が家出をしてしまった時は心臓が飛び出るほど驚きましたし、心配しました。

でも辰明はそれから一生懸命に勉強をしていて、感動しました。そしてお父さんが死んでしまったけれど、泣いていなかった時には立派に成長してくれてありがとうと思いました。辰明は自慢の息子です。私の息子でありがとう。どうか、無事に帰ってきてくださいね。


ps.お父さんからの手紙もあるので読んでくださいね。



〜お父さんの手紙〜


 辰明がこの手紙を読んでいる時、それは、お前が戦争に行く時だろう。辰明には我が家の心得を教えていたが、戦場においては生き残った者のみが正義である。

 心配せずともお前は強い、文武両面でな、戦場でお前の名前を残してこい。


 

 他にも沢山書いてあったが、大まかにはこの内容であった。この手紙を読み終えた後には、俺は武者震いをしていた。


 

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