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目覚め
目が覚めると同時に、背中に鈍い痛みを感じた。板の上で寝ているのだから当然か。そして目の前には、涙を溜めた丸い顔の男がいた。
「み、ミチタカー!」
クレマンは俺に抱き着いてきた。重い、そして暑苦しい……。
「し、死んだかと思った、もう、もう助からないかと思ったよ……よかった、ホントによかったあぁ……」
「……あの世から戻ってきて、最初に見る顔がお前かよ……サイアクだな……」
俺が悪態をついていても、クレマンは鼻水を垂らしながら、泣き続けている。
だが居館の外から聞こえてくる怒声や騒音、爆音に気付くと、皮肉を言っている場合じゃないことがわかった。
「おいクレマン、何日だ、俺は何日寝ていた?」
「ふ、二日……」
「じゃあもう、ユリウスが来てるのか?」
「う、うん」
「みんなは?」
「た、戦ってる……けど、もう……む、無理かも……」
「クソッ……」
飛び起きた。
「み、ミチタカ、大丈夫なの? 首の骨、折れてたんじゃないのぉー?」