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闇神官さんのぼうけんのしょ  作者: 高級毛糸
1/3

1話

誤字脱字があれば教えて頂けると有難いです。


「この度は、New Generation Fantasyをご購入頂きありがとうございます。

これから貴方様の制作されるキャラ設定のサポートをさせて頂きますサポートメイドでございます。

短い間ですが、宜しく御願い致します。」


「まず、このNew Geneれ...。NGFで使用される、貴方様の名前をお聞かせ下さい。」


このメイド、略しやがった。

目つきが鋭くて、無表情だから何考えてるかわからんが、すげぇ面倒臭そうに感じる...。

最初はクール系美女かと思ったんだが...。ものぐさ属性?そんな属性あるのか知らんけど。

まぁ、長いから略称したくなるのはわかるけどね。


「まだ決まりませんか?」


急かしてきた。しかも超睨んでる...。

美人が睨むとめっちゃ怖いな。

ただでさえ、目つき悪いのに...。

あれ?考えてること読まれてないよな?更に顔つきが険しくなって舌打ちされたんだが...。

さっさと決めよう...。


「あー、名前って空欄にできる?」


「空欄...ですか?可能ですが、パーティーを組まれる際に支障がでると思われますが?」


「問題ない。ソロでしかやらんし。一緒にやる人居ないし、俺は人見知りだ。」


人に話しかけれませんが何か?

簡単な受け答えならまだしも、長時間一緒に居るなんて精神的に疲れるわ。


「...。かしこまりました。重複もしないので、PC名は で登録致します。」


よかった。呼ばれることが無いならネタに走ろう。その方が面白いしな。

にしても、さっきまで睨んでたのに今では憐れみの視線を感じるんだが気のせいだよね?

無表情なのにそんなの感じるわけないよね。はは。


「次は職業を決めて頂きます。職によって初期ステータスも若干異なり、レベルアップにも影響致しますので、ご注意下さい。」


「了解。」


サポートメイドが喋り終わるのと同時に目の前にウィンドウがポップアップしてきた。

結構あるな...。すぐに目につくのは、剣士、戦士、拳士、狩人、魔法使い、神官...。

ここら辺は、よくある職業だな。


変わってるのは、銃士や兵士だ。

こういうゲームでは、銃はロマンだよな。

まぁ、リアルでは散々撃ってきたから選ばないけど。

兵士も選ばん。前の職場を連想するから。


遊び人って誰が選ぶんだろう?

何か役に立つの?

職人はクラフト系かな。

でも、人相手に商売できないから当然却下だ。


「...時間が掛かりそうなので、ランダムにさせて頂きます。あとステ振りも。」


「ふぁ!?」


いやいや、選ばせろよ!時間かかるのはしょうがないだろ!?

気が短過ぎだろこのサポートメイド!

ていうか、全然サポートされてないんですが!?


「初期スキルの選択はステ振りに影響致しますので、ご了承下さい。」


「了承できるかぁぁ!!?」


「スキル選択は始まりの広場で選んで下さい。

では、NGFの世界を存分までお楽しみ下さい。」


「フザケンナぁぁ!」












はい。と言うわけで今は広場にいます。誰に言ってるのか知らんけど。


あのクソメイドマジでやりやがった...。

気がついたら、人混みの中に俺はいた。地獄である。

見渡す限り人人人人人人人人...。

スタート地点だから仕方ないのかもしれんが...。


今、俺が優先してすることは決まっている。


人混みを抜けて、人が居ない所に行くことだ。


ステータス?すっげぇ気になるけど、この人混みの中で確認する必要はない。というかだんだん気持ち悪くなってきた...。


ここから見える建物の間に駆け込む。この始まりの広場?には数え切れないほどのプレイヤーがいるが、俺にかかれば走りながらすり抜けるなんて造作もない。

ボッチ舐めんな!





「あ〜、ようやくゆっくりできる...。」


人が居ない路地で一息。

危うくゲームで吐く所だった。

吐けるか知らんが。

もしかしたら、キラキラエフェクトが出るかもしれん。

そんなエフェクト嬉しくないけど。


ゆっくりできたところでステータスの確認といこう。

正直見るのが怖いが...。

兎に角、ステータス!




名前

性別 男

種族 人間


神官 LV 1

カルマ -5


HP 50/50

MP 50/50


STR 10 +8UP

VIT 7 +5UP

DEX 5 +1UP

INT 5

AGI 6 +4UP

CRI 3 +2UP

LUK 4




ワロタ。

神官なのにINTにステ振られて無いとか...。

何?物理で行けと?

近接ヒーラー?マジでネタじゃねぇか。あぁ、だからLUKも初期値なんですね?って煩いわボケ。


神官でカルママイナスってどう言うことだよ。

産まれたことが罪だって言いたいのかおい...。


脳内で一人漫才してもしょうがない。

スキルだ。スキルさえ選べば少しはまともになるだろう。





名前

性別 男

種族 人間


神官 LV 1

カルマ -5


HP 50/50

MP 50/50


STR 10

VIT 7

DEX 5

INT 5

AGI 6

CRI 3

LUK 4


スキル

闇魔法LV1 短剣術LV1(New)

格闘術LV1(New) 回避LV1(New)




神官なのに闇魔法...。

使える魔法はダークファイアの1つだけ。

回復は?神官ってヒーラーだよね?

もしや、カルマか?カルマがマイナスだからか!?


回復できそうな神聖魔法選べないし!

薄い灰色表示になっていて押せなくなっていた。


闇魔法はスキルを選択する前からついていた。

恐らく、本来ならこれが神聖魔法のはずなのだろう...。


「この世界に神などいない...。」


このまま邪神でも信仰してやろうか...。

覚えてる魔法、闇魔法だから丁度いいね!って1人漫才はもういいわ!!


短剣術、格闘術、回避はスキル選択で選んだ。

ランダムのせいでステータスポイント、SPが近接関係に振り分けられているせいだ。


ちなみに短剣など持っていない。

というか武器も防具もない。


短剣術を選んだのは小回りが利きそうだからだ。

棒術もあったが、短剣術にした。

こっちの方が慣れてるし。

同じ理由で、格闘術と回避を選択した。ヒット&ウェイだ。


服装は何処からどう見ても、ただの村人。布の服だ。


ウィンドウをポップアップさせて持ち物欄を見ても何も無い。

1000イェンという通貨があるだけである。


つまりは買えということか...。


他のプレイヤーもこんな感じなのか?

俺だけじゃ無いよね?


俺だけでは無いことを信じよう。

信じる者は救われるのだ。

俺のカルマ値マイナスだけどね!


あと、ずっとスルーしてたけど種族って何?

もしかして選べたの?


あんまり見てなかったけど、始まりの広場でケモ耳を見た気がする...。


...あのクソメイドマジで仕事してないじゃん!!

これは運営に問い合わせてもいいよね!?

キャラリメイクさせろや!




様へ

この度は、NGFのご購入ありがとうございます。

お問い合わせの内容は、


・サポートメイドが面倒臭がり

・サポートメイドが全くサポートしてない

・悩むと早くしろと要求してくる

・職業やステ振りをランダムにされて、何の説明もなく始まりの広場に送られた

・神官なのに初期カルマ値がマイナス

・種族の説明もない

・訳がわからないよ!


の以上でお間違えないでしょうか?


回答と致しましては、基本サポートメイドが受け答えや重要な初期設定でその様な事をすることはございません。

ですが、超低確率で特別なサポートメイドが現れることがあります。

恐らく、この度のサポートメイドはその特別仕様と思われます。

当社と致しましては、これは超低確率を引いた 様の豪運に驚嘆を抱いております。


つまり、この度対応したサポートメイドは正常であるため、キャラクターのリメイクなどの対応は規約の第13条にあたり、誠に申し訳御座いませんが対応外となっております。


様には悲嘆に暮れるのではなく、自分は特別な、選ばれたサポートメイドに出会ったんだと前向きに考え、引き続きNGFの世界をお楽しみ下さいますよう、心から御願い申し上げます。


dy特別なサポートメイド





お前が運営メール返してくるんじゃねぇよ!!









もういい。

外に出てレベルを上げよう。

レベルを上げてステ振りすれば、少しはまともになれるはずだ。


そのためには武器がいる。あと防具。

武具を買わないといけないから、売ってそうなところを人混みを避けながら歩いていた。


そう過去形だ。

売ってそうな店は見つけたが...。


「武器が高い...。」


木のショートソードが600イェン。

木のダガーが500イェン。


木剣でこの値段かよ...。

ちなみにワンランク上の石シリーズはショートソードで1000イェン。ダガーが900イェンである。


石のダガーを買えば防具が買えない。

木のアーマーが500イェンもするのだ。


剣とか鎧ではなく英語表示になっていることに若干運営にイラッとする。


無論、木製よりも石の方が与えるダメージが大きい。


与えるダメージを優先して石の武器にするか、攻撃を受けた時を考えて木製にするか...。


何処かの誰かも、当たらなければどうということはないと言ってるが...。


「すみません。」


「はい、いらっしゃい!何にします?」


「木のダガーと木のアーマー下さい。」


いのちをだいじにで行こう。








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