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周りとの差

「お、おい!ステータスが開けるぞ!」

後ろにいる男子がそう言うと皆んな一様に、ステータスと口に出す。


(ステータス、やっぱりか)

僕が口に出さずに心の中でそう唱えると目の前にA4サイズのパネルが現れた。


ーーーーーーーーーーーーーーー

NAMEー水本未軌

LVー1

HPー250

MPー100

STRー25

INTー30

AGIー15

MNDー300

LUCー500


SKILL

・水本流ーー術LV6


TITLE

・異世界人

ーーーーーーーーーーーーーーー


目の前のパネルには自分のステータスが映し出されていた。


(ステータスはゲーム風なのか、STRが25なのは高いのか低いのか分からないな。スキルは僕のやっていた水本流柔術じゃないのかな?)


未軌が自分のステータスを見ていると横から聞き覚えのある嫌な声がした。


「あれ〜?ゴミ本君のステータス低くなーい?AGIなんて15とこ低すぎw」

須藤は皆んなに聞こえるように大きな声で言った。


(僕のステータスが低い?それよりどうやって僕のステータスを見たんだ?)

未軌は周りを見渡すが、皆空中に対して指を動かしているようにしか見えず、ステータスが載っているパネル見えなかった。


「そっか〜、ゴミ本君はスキル鑑定が無いから他の人のステータス見れないもんね〜」

須藤は一瞬空中で指を動かすと、そこにパネルが現れた。


「ほら、見てゴミ本君のゴミステータスと俺様の最強ステータスを比べてみん?」


ーーーーーーーーーーーーーーー

NAMEー須藤裕也

LVー1

HPー1500

MPー1500

STRー300

INTー210

AGIー470

MNDー250

LUCー40


SKILL

・剣術LV10

・身体強化LV10

・鑑定LV10

・全属性魔法LV10

・無詠唱

☆勇者魂LV10

TITLE

・異世界人

・英雄の卵

ーーーーーーーーーーーーーーー


未軌は唖然としていた。

ステータスの差はともかくスキルの量とレベルが高かった。


(あの☆マークは何だ?)

未軌がそう思うと共に目の前に自分のパネルが現れた。


ーーーーーーーーーーーーーーー

☆ーユニークスキルや一定以上の力を有したスキルに付く記号。

ーーーーーーーーーーーーーーー


(そんなスキルがあるのか・・・)

未軌は自分のステータスの低さとスキルの数やレベルに呆然としていた。

そこに再び聞き覚えのある声がした、今度はその声を聞き安心した。


「未軌君、大丈夫?」

若葉は心配そうに未軌を見ていた。


「若葉〜、そんなゴミほっといて俺んとこに来いよ〜」

須藤が若葉の肩に手を乗せると若葉はその手を払い未軌のてを取った。


「未軌君行こ!」

僕は若葉に連れられ須藤達から離れた。


「未軌君のステータスが低くても私が守るから!」

「あ、ありがとう」

僕は恥ずかしかと情けなさに顔を赤らめ俯いた。

若葉は僕の頭を撫でながら大丈夫、と言ってくれた。


暫くして皆んなが落ち着くと、再び神崎が前に出て話し始めた。

しかし、さっきとは違い須藤も腕を組み偉そうに皆んなの前に出ていた。


「皆!聞いてくれ!どうやら僕らは本当に異世界?に来てしまったらしい!早く帰りたい者や、不安な者も居ると思う!帰るための方法を探す間、皆んなで協力して無事に帰れるようにするんだ!」

神崎がそう言うと女子は頬を赤らめ、男子はしょうがねぇな、とやる気に満ちていた。

皆は自分のステータスやスキルがあるからそんなことが言えるのだ。

僕は不安な思いを心いっぱいにして話しを聞いていた。

話の後、スキルで木や土を操れる者が協力して教室2つ分程の大きなロッジが作られた。

食料に関しては森の中に鑑定を使って食べられると判った物や動物を狩り、なんとかなっていた。

そんな中スキルもステータスも無い僕は最低限の食料とロッジの玄関に大きな葉を渡され座らされていた。


「あ〜、ゴミ本君は良いよな〜。何もしてないのに食料と寝床がもらえてよ〜。」

須藤が僕に嫌味を言ってくる。

もちろん僕はどれが食べられる食料かを聞き、覚えてそれを取りに行っていた。

結構な量を集めると、須藤は林檎程のサイズの果実を一つ残し、他を全て持って行かれたのだ。

僕が抗議すると高いステータスに任せ僕を殴り飛ばしてきた。

それから僕は果実を食べ葉に包まりロッジの玄関で静かに座っていた。

須藤は嫌味を言うと仲間を連れ若葉の方へ行った。

須藤が若葉に何か話すと、若葉が心配そうにこちらを見て須藤と何処かへ行ってしまった。

僕は心配になったが須藤に殴られてから足が竦み立てなかった。

夜になり皆が寝静まった頃、僕は眠れなかったので、夜空を見上げていた。

その夜空は都会では見れない美しさがあり星一つ一つが電球の様に輝いていた。


ギィ


後ろでロッジの扉が開く音がして咄嗟に振り返ると、そこには若葉が立っていた。


「若葉・・・」

「未軌君、これ」

若葉の手には果物と皆んなが夕食に食べていたスープの残りがあった。


「いいの?」

「未軌君お腹減ってるでしょ?」

「うん」

「じゃあ食べて?私、未軌君も食料を一緒に集めてたの知ってるから」

「若葉・・・ありがとう」

僕は若葉から貰ったご飯を食べお腹を満たした。

若葉はクスクス笑いながら僕を見ていた。


「未軌君」

「ん?」

「私達帰れるかなぁ」

「うーん・・・」

「そこは嘘でも帰れるって言ってよ」

若葉は笑いながら僕のことを小突いた。

ステータスの差か結構痛い。


「僕はみんなよりもステータスは低いしスキルも1つしか無いから」

「そんなに弱気にならないでよ。

大丈夫!私が守るからさ」

「女の子に守ってもらうなんて情けないよ・・・」

「未軌君はあっちの世界では私の事守ってくれたじゃない」

「あー、あの事か」

「そうそう、私が小さい時に男子の木登りを見て、自分も登ったら降りれなくなって泣いていた時の事。

未軌君は急いで私のところに来て一緒に木を降りてくれて・・・」

若葉は夜空を見上げながら懐かしそうなや語った。


「そんなに昔の事覚えてたんだね」

「当たり前だよ〜、本当にあの時は怖かったんだから」

「そうだね、僕は今がとても怖いよ」

「だから私が守るから、安心してっ!」

若葉は僕の顔を見てニコッと笑った。

僕はその笑顔を見て少し心が落ち着き、若葉がロッジに戻ると直ぐに寝る事ができた。






最後まで読んでいただきありがとうございます。

本文でここが変、ここを直した方が良いんじゃないかなと思ったところがあれば、コメントやメッセージで指摘してもらえると助かります。

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