撃ち抜き返し
廊下に着き、ある程度近づいた。
月城はもういつでも戦えるだろう。
それなのに今すぐ離れた方が最適な気がする。
こいつに奇襲は不可能だ。
そう思ってしまう。
案の定。彼はその場で止まった。
腕に巻きついてあるチューブに空気が通る音がする。
「月城ァ!離れろ!!」
月城はそこから後ろにステップした瞬間に
廊下の壁に張り付く鉄パイプの原型が消え
壁にヒビが入った。
脳が、ここから離れるべきと言う。
自分は無視して引き金に指をかけた。
胴体に当たったはずだが何も起きない。
まるで、全細胞に痛みを忘れさせたように。
月城も応戦したが顔に傷が少しできるだけで
びくともしない。
壁は破壊され上の階に続く階段も瓦礫の山になっている。月城にナイフを投げた。
「膝の関節を切れ!」
「まかせろ」
少しでも行動を間違えれば我々が殺される。
ここはチップも入れている月城に渡すのが
最適だ。
月城は奴を回り込み膝を切りにいった。
避けられてしまったが月城はそのまま首を狙いに行った。
その瞬間。奴は急に距離をとった。
私の考えはあっていた。
彼にダメージはないのではなく
本当に痛みがなかったのである。
急所を狙われて距離を取るのはそれが理由だと言える。「次は絶対に膝を切るッ身動きが取れない間に脳天を打ち抜け!!」
一撃でも当たれば死ぬようなものなのに
頭を打ち抜け返せるってだけで笑顔が漏れ出てしまう。やはり私は人間だ。
月城は宣告通り膝を切った。
あとは引き金を引くだけである。
初めての人殺しがコイツだ。
殺す事への恐怖が邪魔をしてくる。
もう終わりだ。
私は深く呼吸をし、引き金を引いた。




