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適正化成功

 妙に暖かい。

先程まで凍えるように寒かったのが

嘘のようだ。

「いつまで寝てるつもりだ」

誰かが私に問いかける。

やはり死後の世界はあるのか。

いや、死後の世界でこんな聴き馴染みのある

声が聞こえるわけがない。

月城か。


 月城は私が高校で知り合った人間で

大学から別れたが頻繁に連絡する程には

仲が良かった。


国民才能最適化センターの最適化実験を担当していた程の頭脳の持ち主で、

彼も、私ぐらいには不信感を持っていた

私の計画の協力者でもある


目を開いてみる。

顔もそこまで変わっていない。

「やっぱ起きてんじゃねえか」

「まあね。とりあえずトイレを貸してくれ」

私は何日倒れていたか知らないが、数日ぶりの

用を足した。

月城の家で起きている時点で夢じゃないのは

承知しているし、いらない行動なのは分かっているが、鏡で自分に残った傷痕を確認した。

ちゃんとそこに傷痕はありかなり大きかった。

「俺に何があったのか教えてくれないか」

「そうだな、どう話そうか」


 月城曰く計画の成功あと私を車で拾っていく

予定だったが、私がセンター近くの建物から

動かないのをおかしいと思い確認しに

行ってみたところ、

私が倒れており回収したらしい。

私は数時間死んでいたそうで、

血流機や電気ショックにより私は

生き返ったようだ。


その時の私の脳は損傷が激しかったらしく

その部分を思考AIチップと擬似で作った脳を

入れたらしい。


 彼は脳の損傷の話で実に暗い顔をしていた。

今私は脳にAIの思考も入るようになったそうで

AIが私に最適な行動を教えるようになってしまったらしい。

彼がまだセンターの社員で最適化の実験をしていたが、最適化の成功が彼の知る限り、

私だけのようだ。

崩壊させるはずだったセンターの

成功例になってしまった。


「あぁ、それと申し訳ないのだが」

「なんだ」

月城は申し訳なさそうにいった

「俺が回収に行った時ちょうどチップでやられてるやつが目ぇ覚ましちまってな、、」


 どうやらセンターの警備に回収している所を

見られてしまい、センターの警備や警察が

東京23区民のデータを片っ端から

見ているそうで、住所も顔すぐにバレるそう。

その為、今から外縁区に避難する必要がある。


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