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スターダスト•ノート ~星に願いを~  作者: テルアム


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3/5

泣き虫皇女様

教室を出た俺は学園内を探索すべく外へ出る。

敷地があまりにもでかく、一日では周りきることができないほとだ。

しばらく歩くと、あまり人目のつかなさそうなところに庭園のようなものがあり、そこに興味を惹かれた。

腕の良い庭師が世話をしているのだろう。

少しも手入れをされていないところがなく、

どれも均一に整っている。

少し歩くと、草陰のようなところから話し声と誰ががすすり泣くような音が聞こえた。

なにかあったのだろうか。

少し様子を見てみよう。

そう思ってこっそりと草の陰を覗くと、

まず第一に目に入ったのは一度見たら忘れない

煌びやかな長い金髪だった。

その横に従者らしき人がいる。

「うぇーん…..ぐすんぐすん…」

「アルカぁ聞いてよぉ…..」

一瞬俺は自分の目を疑った。

俺の目が正しければ、今俺の目の前でベソをかいているのは先ほど凛々しい挨拶をしていて、無表情な女だなぁなんて思っていた第三皇女殿下ヴェルディア•ハイネその人だったのだ。

「どうしたのですか、お嬢様」

と水色の髪を持つ従者が答える。

「あのねぇ今日頑張ってみんなの前で仲良くしましょうっていったのぉ….」

「けどねぇ今日教室でも廊下でも外でも誰も話しかけてくれなかったのぉ….」

「なんでなのよぉ….お友達ほしいよぉ…うわぁ〜ん」

とうとう皇女殿下は泣き出してしまった。

大粒の涙を流しながら。

なぜか俺は心が痛むと同時に、自分の中での第三皇女殿下への理想像というものが砕け散った音がした。

「お嬢様は生徒たちの前での表情が硬すぎるのですよ」

「今くらい表情を出していたらすぐに友達なんでできると思うのですが」

皇女殿下の従者にしては中々に容赦ない言葉を浴びせる。

「うぇ〜ん…またアルカが意地悪いぅぅう….」

「お父様に言いつけてやるんだからぁ…」

お父様とは国王陛下のことだろう。

流石の従者でも国王陛下への告げ口となると焦るとおもうんだが。

「えぇ、どうぞご勝手に」

この従者は失うものなどないのだというのか。

しっかしこの状況、どうしたものか。

そんなことを考えていると、

従者が再び口を開く。

「ところでさっきからのぞいているそこのあなたはいつになったら姿を現すんですか?」

「っ…..!!!」

従者と皇女殿下の視線がこちらへと向けられている。

おいおい、バレないようにしてたのにバレてたのかよ。

俺は少し魔術に長けている方だ。

ちょっとした気配の隠蔽くらいできるんだが、

従者の察知能力が高かったのか。

こりゃとんだ失態かもな。

俺は観念して姿を現す。

「えっと、たまたまここを通りかかったときに茂みから女の子の泣く声が聞こえて何かあったのかと心配に思って見てしまった。申し訳ない」

俺は素直に謝罪をする。

バレてしまったものは仕方ないのだ。

実際に敵意や他意があったわけじゃないしな。

すると皇女殿下がわなわなと口を震わせる。

「あ、あ、あなたっ、い、いったいいつから見ていたのですか!!!」

こうなったら包み隠す白状しよう。

「えーと、最初からです」

その言葉を聞くや否や皇女殿下は泡を吹いて卒倒した。

従者の女の人が皇女殿下を受け止め、

自分の膝に頭を乗せてあげながらこちらを見る。

「あーなんて可哀想な皇女殿下」

「友達もできず挙句の果てに他人にこんな姿を見られるなんて」

誰が聞いてもわかるような完璧な棒読みで俺に訴えかけてくる。

「えーと、おれにどうしろっていうんですかねぇ…」

すると従者はにこり笑って、

「皇女殿下が卒倒してしまったなんて、学園側にも

国王陛下にも、訳を一から説明しなくてはいけませんねえ」

俺はわかる、これは人の弱みを握ってる人の顔だ。

入ってばっかで問題を起こすなんてまずい。

ましてや国王陛下に報告だと?

俺は極刑に処されるのではないか?

流石にそんなことないと思いたいが国王陛下は

娘を溺愛していることで有名だ。

俺…終わった…..

「しかしそんなあなたにも生き残る道がごさいます」

めちゃくちゃ嫌な予感しかしないが生き残るためには聞くしかないのだろう。

「それは….こちらにおわします皇女殿下様とお友達になることです!!」

ほらねやっぱり….

王位継承争いしている皇族と仲良くするなんて自殺行為に等しいだろう。

だけど、断ることもできない…..

「さぁさぁ決断は早く」

「優柔不断な男はモテないですよ」

怪しい笑を浮かべながら催促してくる。

もはや逃げ道など、ない….

「わかりました、そちらの皇女殿下様とお友達になれば良いのですね?」

「ものわかりが良くて助かります」

要は友達にさえなればいいのだ。

あとはどうにでもなるだろう。

「あぁあと、友達になっただけで終わりだなんて思っていませんよね?」

「しっかりと友人らしいことをしてもらいますよ??」

俺の考えを読んでいたかのように発言する。

逃げ道まで塞がれてしまった…..

「で、でも!皇女殿下様を年頃の男なんかと一緒にして良いのですか!」

俺は最後の手綱を握る。

「そこは問題ございません」

「皇族に手を出せば極刑は必至ですし、なにより私が四六時中おそばにいらっしゃいますので」

「危害を加えようとした瞬間に、潰します」

そう言って真顔で顔の横に拳をつくる。

怖すぎる….

俺のこれからの学園生活…一体どうなっちまうんだ….


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