入学式
足に風を纏わせながら、俺は学園に向かう。
「着いた」
見渡すと豪華な建物が複数立ち並んでいる。
そう、ここが皇国一のラグルシア学園なのだ。
壮大な門を潜り抜けると、たくさんの生徒たちが立ち並んでいる。
その列の先を遡って見てみると、[入学者はこちら]
と書かれた看板が掲げられている。
どうやらここで身分を確認し、所属するクラスが言い渡されるらしい。
ちなみに俺は第一クラスだった。
特に数字に意味はない。
手続きが終わったら次は講堂へと案内された。
「うわ….すっげ」
入った瞬間に目に入ったのは輝かしいステンドグラスたち。
一つ一つに細部まで装飾が施されていてる。
そのステンドグラスたちに感嘆していると、
講堂のスピーチ代に誰かが立った。
「えー、おっほんおっほん」
「新入生の諸君、ラグルシアにようこそ」
「わしは学園長を務めるノーダスじゃ、
よろしくのぉ」
するとあたりの生徒たちがざわめき立つ。
「おいおい、あれってノーダス卿じゃないか」
「え!!上級魔法師の?!」
「すっげぇ!!流石ラグルシア!!」
目の前のこのご老人は上級魔法師らしい。
よくみると、その腕には金色の彩飾が施されてある腕輪をしている。
魔法師には階級がある。
下級魔法師は赤色の腕輪を、中級魔法師は青色の腕輪、そして上級魔法師が金色の腕輪というわけだ。
なかでも上級魔法師は爵位を与えられるほどの凄さと言うことだ。
「フォッフォッフォ」
「ここにいる3年間、是非とも皆にはこの腕輪を目指して切磋琢磨して頑張っていただきたい」
「では次にうつるとしよう、新入生の挨拶じゃ」
「新入生代表ウェルディア•ハイネ前にでなさい」
「はい」
すると、前の方から一名の女子生徒が前に出る。
再びあたりがざわめき立つ。
「第三皇女様だ」
「お美しい」
「あの凛とした佇まい、あれが皇女様か」
皆の目の前にたち、顔を上げたのは煌びやかな金髪がよく似合い、とても美人で人形のように表情ひとつ変えずに辺りを見渡す。
「生徒の皆様、ご紹介に預かりましたウェルディア皇国第三皇女のウェルディア•ハイネと申します」
「三年間と言う限られた時間の中ですが皇族という壁にとらわれず、是非是非話しかけていただいてかまいません」
あんな硬い表情してる人に話しかけたいと思う奴なんているのか?
そう考えていると、
「まじか!俺絶対話しかけるもんね!!」
「おい!ずるいぞお前!!抜け駆けはなしだろ!」
と周りの男子たちが色めき立つ。
あの美貌で皇族だ、玉の輿なりなんなりでお近づきになりたい奴は結構多いようだな。
そんなこんなで入学式が終わり、俺は教室へと向かった。
教室の前まで来ると、中が騒がしいように思える。
ドアを開けるとそこには先ほどみた美しい金髪が目に入った。
第三皇女だ。
まさか同じクラスになるとは思いもしなかったな。
みんな第三皇女から一歩距離を置くようにして騒いでいる。
おそらく誰が話かけにいくのかで相談をしているのだろう。
もちろん俺は話しかけにいくようなことはしない。
すると、隣にいた男子生徒が話しかけてきた。
「よう!俺の名前はアイク•ハラルドっていうんだ」
「そっちは?」
「おれはディバナ•ラパスだ」
「よろしくな」
「おぅ!よろしく」
「ラパスか、聞いたことのない家名だな」
「そりゃあしがない平民の家系ですからね」
「ならほどな!まあこれからよろしく!」
「ところでディバナは皇女様にはなしかけないのか?」
「今のところそんなつもりはないよ」
「そっかぁ、入学式で話しかけてくださいって言われてもやっぱ話しかけづらいよなぁ」
「壁を取っ払ってみたいなこと言ってたけど壁みたいなのあるしな」
「それそれ!!面白いこと言うな!」
すると教室の前の方のドアが開き、1人の女性が入ってきた。
「は〜いみなさん先に着いてくださぁい」
「先に自己紹介しますね〜私はみんなのクラスの担任になったロザリア•ディオーサっていいま〜す」
「よろしくねぇ〜」
そう自己紹介した先生の腕には青色の腕輪が付いている。
中級魔法師だ。
「今日はこの後歓迎会があるので〜それまではみんな好きに過ごしてていいわ〜」
「先輩からお話を聞くもよし、お友達を作るのもよし」
「好きに過ごしてちょーだいねぇ〜」
「問題だけは起こさないにね?」
「じゃかいさ〜ん」
先生のその言葉を聞くや否や生徒たちが移動し始めた。
するとアイクが話しかけてくる。
「おれはこの後クラブの方見ようと思うんだが一緒に行かないか?」
「誘ってくれて申し訳ないんだけど、ちょっと用事があって」
「そうかそうか!わかった。じゃまた歓迎会の時にな!」
「あぁ」
そういってアイクは男友達を連れて去っていった。
すげぇな、あんな短期間でもう友達がいるのか。
それとも家族同士の繋がりって奴なのかな。
まあそんなことはいいんだ。
知らない土地にくると探検をしたくなるのが俺の性なのだ。
もしかしたら穴場スポットというものも見つけられるかもしれない。
「よし、行くか」
そう呟いて、俺も教室を後にする。




