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冷たい結婚生活3
一人でご飯を食べ終わった後、
えみりが家を案内してくれるというので、付いていくことにした。
家には沢山の部屋があり、
使用人たちも一緒に暮らしているらしい。
特にすごいのが、
大きな庭で、
『端から端まで歩くと筋肉痛になりますよ』と言われた。
色んな花があるので、歩いているだけで楽しい。
えみりと庭を歩いているとき、
恭平様がこちらに気付かず、散歩しているところを見かけた。
えみりに、
「旦那様はよく仕事の合間に散歩しているんですよ」と言われ、これはチャンスだと思い恭平様の元に駆け寄った。
「恭平様、よかったら一緒にお散歩しませんか?」
「あいにく仕事が忙しいんだ。
そこの侍女に案内してもらってくれ。」
恭平様は踵を返し、
家に戻っていってしまった。
唖然としている私に、
えみりは気遣って、花の名前を教えてくれたり、隣の領地について色々教えてくれた。
しかし、私は恭平様に拒絶されたショックで相づちはしたが、あまり耳に入っていなかった。