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冷たい結婚生活1
私の両親が帰った後、
桜庭家の使用人たちから挨拶があった。
恭平様専属の執事である榊様からは、
「あの恭平様が結婚するなんて
…正直驚きました。これから恭平様のことを宜しくお願いします。」
と頭を下げられた。
私は恭平様から拒絶されているしな…、
なんと反応していいかわからず、苦笑いしかできなかった。
執事、料理人、侍女たちみんなと話したが、
ーとにかく皆優しかった。
特に私専属の侍女ーえみりは、
私と歳が近いこともあり、仲良くなれそうだった。
恭平様とも、前みたいに仲良くなれればいいんだけど。
食事のときは一緒に食べると言ってたし、
頑張って話しかけてみよう。
案内された自分の部屋の布団のなかで、そう意気込んだ。