嫉妬2
「きょ、恭平様?」
いきなりの出来事にびっくりして、
顔を見上げると、恭平様が息を切らしていた。
どうやら、私を探して走ってくれていたようだった。
「あれ?桜庭か?その女性と知り合いなのか?」
「佐々木か。紹介する、こちらが妻の美優だ。」
ーどうやら私に話しかけてくれた男性は恭平様の知り合いのようだった。
「美優。こちらが佐々木だ。私の友人のようなものだ。」
「初めまして。妻の美優です」
「友人のようなものって。友人でいいだろ。
結婚したとは聞いたが、まさか君だったとは…
いい奥さんと結婚できたな」
嬉しい褒め言葉に思わず顔がニヤついてしまったが、恭平様はあまり機嫌が良さそうではなかった。
「結婚したのに結婚式も挙げないから、
本当にしたのか噂なのかわからなかったよ。」
「一応手紙出したろう」
「いや、あの桜庭がな…って言う気持ちもあってさ。あれ、美優さん指輪つけてないの?」
「あ、そうですね…」
政略結婚だと指輪がないのも結婚式を挙げないのも珍しいことではないので、気にしていなかったが、いざ言われると少し寂しく思える。
「桜庭。こんな素敵な奥さんがいて、そんな感じだと他の男に取られちゃうぞ。」
「…わかってる」
恭平様を見るとすごく渋く…辛そうな表情にみえた。
「まあ、他人の俺が口出すことじゃないけどさ。もし結婚式をやっぱり挙げようってなったら、招待しろよ」
そう言って手を振りながら佐々木さんは離れていった。
「何か食事をとりますか?」
「ああ、すまない。
最低限挨拶をすませたら、帰ってもいいか?」
恭平様の顔が青ざめて見えた。
体調が悪いのかもしれない。
「今すぐ帰りましょう。これから何度も挨拶するチャンスはあります」
私たちは急いでパーティー会場をあとにして、馬車に乗った。
家に着くと、
「すまない、先にお風呂に入る」と言って自分の部屋のお風呂場に向かってしまった。
恭平様は自分自信のことは自分でやる主義で、
えみりのような侍女が付いていなく、
お風呂も一人ではいっていた。
ーこのまま恭平様を一人にしていいのかな?
心配になり、
今まで恭平様と一緒にお風呂なんて恥ずかしくて無理だと思っていたが、
一緒のお風呂に入ることにした。




