嫉妬1
今日は久々に貴族のパーティーに出る。
結婚前はずっと避けていたが、
さすがに結婚してからは社交の場に出ないわけにもいかず、招待を受けることにした。
ドレスは祖母の形見ではなく、
恭平様が用意してくれた水色のドレス。
自分に似合うか不安だったが、
えみりのヘアメイクのおかげで、なんとかドレスに負けない外見になることができた。
「お待たせしました」
馬車の前でもう待っていた恭平様のところに駆け寄ると、私を見るとすぐに顔を手で押さえた。
「どうかしましたか?」
私が見上げると、
「可愛すぎる…」
「あ、ありがとうございます」
私が頬赤らめながらそう答えると、
恭平様が私の手をとりキスをした。
あれから何度もキスをしてきたのに、まだ慣れない。
思わず顔を真っ赤にすると、
私の顔を見て満足そうに微笑んだ。
「さあ、行こうか。」
恭平様と手を繋ぎ、馬車に乗せてもらい、
パーティー会場に向かった。
「「「恭平様お久しぶりです」」」
会場に入ったと同時に、恭平様が女性に囲まれてしまった。
恭平様は鬱陶しそうにしていたが、
なかなかそこから抜け出せないようで、
私はとりあえず一人でスタッフからお酒をもらい、食べ物を見ていた。
ーやはり恭平様はモテるのね…
私が参加してないときも毎回囲まれていたのかな…
モヤモヤした気持ちが押さえられずにいたところ、「こんにちは、初めましてですよね?」と同い年くらいの男性に話しかけられた。
私が思わず警戒した表情を見せると、
「すみません、パーティーで初めて会う人と出会うのが珍しくて…ナンパではないのでご安心を」
と笑顔で話しかけてくれた。
確かに貴族だったらほとんど小さい頃からパーティーに出ることが多いからな…
「失礼しました。
実は一応貴族なのですが、こういう場は苦手でして、今まで参加してこなかったのです…」
「一応貴族って面白いこと言いますね」
そう言いながら大声で笑い始めた。
ー私そんな面白言ったっけ?
「ああ、失礼。
こういうパーティーに参加する人は、
貴族に誇りをもっている人が多いので、
そういう発言は面白くて。」
ーなるほど、確かにこんな発言する人は珍しいだろう。
「貴族でパーティーに参加しないとなると、
その時間は何をされていたのですか?」
パーティーはすごい頻度で開催されていたため、不思議に思うのもおかしくない。
私はまた笑われるのを覚悟して、
「畑仕事や趣味の料理をしていました」
「そうなんですね。素敵です」
想像と違う答えが帰ってきて驚いた。
今までこういうパーティーで畑仕事や料理のことを言うと馬鹿にされていたからだ。
ーこんな風に考えてくれる人もいるんだ。
私が嬉しくなって笑顔になったところ、
恭平様が「やっと見つけた」と私の手を引いて抱き寄せた。




