帰宅
ー馬車で恭平様の家に着いた。
もう朝になっていた。
玄関に入ると、
使用人の方々が先に帰っていたようで、
榊さん、えみり、料理長、大輝さん…使用人の全員が待っていてくれた。
「おかえりなさい、美優様」
そう、みんなに言ってもらった。
この前もみんなに出迎えてもらったけど、
今回は離縁届けも撤回したし、思いも通じ合えた。
ーこれからは皆とも一緒に暮らしていけるんだな。
そう考えると感動して、涙が出そうになった。
しかし、恭平様が、
「皆悪い、私の部屋で二人っきりにしてくれないか?」と言って、
私の手を引いてスタスタ歩いていってしまった。
ー私はこのまま行っていいのかな?
後ろを振り向いてみんなの顔を見たら、
すごく嬉しそうな顔をして手を振っていたので、そのまま恭平様と歩いて行くことにした。
ー後できちんと皆に声をかけよう。
そんなことを思っているうちに、
恭平様の部屋に着き、部屋に入るなりすぐドアの前で唇にキスされた。
ーこのまま、キスの続きをするの…??
自分のシャツのボタンを外そうとしている恭平様をみて、
「待ってください」と叫んだ。
「嫌か?」
恭平様が辛そうな顔で見てきた。
ーいやなわけじゃない。
ただこれだけは譲れない…
「私汗をかいていて、
さ、先にお風呂入りたいです」
「…ああ。悪い。
美優はともかく、私は汗をかいてるし、お風呂に入らないとだな。」
ーそう言ってもらって、少しだけホッとした。
ただホッとしたのも束の間、
「もう少しだけ我慢する」と耳元で囁かれ、私はまた顔を真っ赤にして、すごく緊張し始めてしまった。




