神殿へ1
使用人の方々はもう一泊してもらい、
恭平様と私と運転手だけ帰ることにした。
えみりにさっきまでの出来事を伝えたところ、涙ぐみながら、
「良かったですね!!!
私が荷物をまとめておくので、
ご主人様と帰ってください」
と言ってくれた。
恭平様と思いが繋がったことが信じられなかったが、
えみりの泣き顔をみて、少し実感がわいてきた。
ーやっと恭平様の気持ちが信じられたし、
自分の気持ちが伝えられた。
えみりのおかげだな。
私はえみりにお礼を言って、
すぐに恭平様のもとへ向かった。
ー馬車が来て2人で乗ってから、
恭平様は何も喋らず、それどころかこちらを見ようとはしなかった。
ずっと反対側の窓の方を見て、外の景色を見ているようだった。
しかし、ずっと私の手を強く握ってくれたので、
そんな状態でも私は幸せでニヤニヤしてしまった。
「着いたぞ」
馬車が止まったと思ったら、神殿へ着いたようだった。
「先に神殿に来たのですか?」
「ああ。さっきも言ったが、一刻も早く離縁届けを取り下げたいんだ」
恭平様は既に神殿に連絡していたようで、
もう準備はすんでいるようだった。
あとは私たちが愛を誓いあい、
『離縁する気はない』と宣言するだけだった。
まれに誓いのキスをする人もいるようだったが、必須ではないし、恭平様はきっと人前でキスしないだろう。




