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初恋の人と結婚4
恭平様はあっさり結婚を承諾したらしかったが、
今日の結婚当日まで会おうとはせず、
「結婚当日に顔合わせしましょう」と言われたそうだ。
私は『結婚するまで会わないの…?』と不思議に思いながらも、
初恋の相手と結婚できることに浮かれていて、深く考えていなかった。
そして、今は長くなった髪を整え、
祖母のドレスとアクセサリーで着飾り、
恭平様の家に両親と向かった。
家に着くなり恭平様のご両親と会って軽くお話をした。
お互いの両親は色々話すから、
2人だけで話してきなと言われ、
恭平様の部屋に案内された。
「失礼します。婚約者様が来られました。」
恭平様の執事の方に通してもらうと、
部屋には久々に会う恭平様の姿があった。
恭平様は同い年とは思えないほど大人びていて、元々顔は整っていたが、
更にかっこよくなっていた。
「こんにちは、美優と申します。」
顔を赤くなっているのを自覚しながらも微笑んで挨拶すると、恭平様をこちらを見て、
ー顔をしかめたようにみえた。
「君も他の令嬢と変わらないんだな。」と良く分からないことを言われた。