帰宅
ーコンコン
馬車の外から音がして、目を覚ました。
いつの間にか寝てしまっていたみたい。
急いで外に出ると、もう家に着いていた。
家の門には榊さん、大輝さん、えみりたち使用人の方々、
そして…恭平様が待っていてくれた。
「早く帰ってきてくれたんだな。」
恭平様が嬉しそうに微笑んでくれていた。
「早く帰りたくなって」
恥ずかしいけど、
どんどん自分の気持ちを伝えていきたいと思い、思い切って言ってみた。
恭平様は思った返答ではなかったのか、
驚いた顔をしたあと、少し顔が赤くなっていた。
「あ、ありがとう。
君と…美優とゆっくり話したいところなんだが、あいにく仕事がたまっているんだ。
夜ご飯楽しみにしてる。」
そう言って、仕事場に戻っていった。
私は使用人の方たちに向かって、
「ご心配をお掛けし、すみませんでした。」
と謝罪した。
「頭を上げてください。戻っていただいただけで、すごい嬉しいですよ」
顔を上げると、榊さんが微笑んでくれていた。
「それにしても、あんな恭平様見るの初めてだったな…」
「すごい焦ってましたよね」
大輝さんとえみりがニヤニヤしながら話していたので、
「恭平様が焦っていたんですか?」と聞いてみた。
「そりゃーもう、離縁届けと手紙を読んだときの恭平様と言ったら…」
「帰ってくるなり、すぐ『美優のところに行ってくる』と言って出ましたね」
「すごく愛されてますね」
ー正直まだ愛されているという実感はない。
でも、すごく嬉しい。
「はい!じゃあ、美優様の部屋に帰りましょう。」
えみりにそう言われて部屋へ連れていかれた。




