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二人で帰省1
今回の帰省は短いことと、
使用人が多いと私が気を遣うだろうということで、
恭平様と私、そして馬車の運転手だけで行く事になった。
馬車に乗って景色を見ながら、
恭平様はずっと喋りかけてくれた。
「実は小さい頃、君の街に旅行に行ったことがあったんだ。
…その時君の両親には会ったが、君には会わなかったな。」
「…そ、そうだったんですね。」
「ああ。素敵な街だな。領民達も良い人たちだし、働き者だし。」
「そうなんです!みんな本当に良い人たちで」
私はまた気付いたら笑顔で前のめりになっていた。
恭平様はそんな私を見て、
また暖かく優しい表情で見つめてくれた。
私は思わずパッと目を離してしまった。
「今度私の別荘に行かないか…
海が近くてとても綺麗なんだ。君に見せたい」
きっともうすぐ離縁届けがくる。
でももしかすると、2人でこのまま幸せに暮らすっていうのもアリなのかな…
私は悩みつつ、とりあえず「はい」と答えた。




