恭平様宛の手紙
離縁届けは旅行中に届くはず。
先に恭平様が帰るから、家に帰ってきたとき離縁届けを確認するだろう。
私は手紙を書いて、
えみりに保管してもらい、旅行から帰った恭平様に渡してもらう作戦にした。
手紙にはこう書いた。
『恭平様へ
直接ではなく手紙での連絡になってしまい、
すみません。
いきなりですが、私と離縁していただきたいです。
婚姻の際に交わした契約はそのまま活かします。
短い間でしたが、
私と結婚して頂きありがとうございました。
幸せでした。』
本当は『短い間ですが~』のくだりは入れないつもりだった。
でも最後くらい本当の気持ちを伝えてもいいだろう。
本人に直接伝える訳ではないから、
恭平様も困らないだろうし。
私はえみりに手紙を渡した。
「私はご主人様は美優様のことを好きなように思えます。侍女である私が口を出すのは失礼も承知ですが、直接話し合ってみたらどうでしょうか。」
「ありがとう。そう言ってくれると嬉しいわ。
…でも私怖いの。もう傷付きたくない。」
私がそう言うと、
えみりはもう何も言わなかった。
私は急に明日は帰省することになったので、
荷物をまとめて、とにかく何も考えないようにした。




