目覚めてから4
ー目覚めてから恭平様が話し掛けてくれるようになった。
ただ離縁届けはもうすぐ届いてしまう。
離縁届けはお互いが記入して、
どちらかが神殿に提出すれば受理される。
もし離縁届けを却下する場合、
2人で神殿に行って、愛を誓いあい、
『離縁する気はない』と宣言しないといけない。
ーきっと誤解は解けて私のことが嫌いなわけではないと思う。ただ愛しているわけじゃないだろう。
最初会ったときに時に、
『愛を誓いあうなんて嫌』と言っていたし、却下するのも難しい。
私は熱で寝込んでいるときに、
母が置いていった手紙を読んでいた。
『辛かったらいつでも戻ってきて休んでもいいんだよ』
ーこの前医師が来たときに、
『安静にストレスのない環境で過ごしてください』と言われたし、ちょうど良いかもしれない。
離縁届けが届いたら、恭平様にどう説明すればいいかわからない。
私が寝込む前みたいに冷たい態度に戻るかもしれない。
ーそれなら、私は逃げてしまいたい。
…本当は話し合うべきなのはわかっている。
ただ、昔のように優しく接してもらったのもあり、
前のような冷たい態度をまた取られたら、
もう立ち直れないかもしれない。
離縁届けが届く前に、家に帰省しよう。
そしてこちらの家に手紙を置いておき、
『離縁しても、畑などの条件は活かす』と書いておけば、
恭平様が離縁届けを提出してくれるだろう。
我ながらずるい作戦だなと思いつつ、
これ以上良い策が思い付かなかった。




