【恭平side】熱6
美優の母親は、
熱でうなされている美優に声をかけたり少しお世話した後、自分達の家に帰っていた。
数日経っても、美優はまだ熱が出ていた。
今日はどしゃ降りの雨が降っている。
『今日は雨が降るので気を付けてくださいね』
そう言ってくれた美優の優しい顔を思い出した。
ー早く話したい。謝りたい。…会いたい。
自分がストレスの元だと思い近寄らなかったが、我慢できずに美優の部屋に来た。
美優の侍女には少し嫌そうな顔をされたが、
私が『どうしても会いたい』と言ったら、
部屋に通してくれた。
美優はすごく汗をかいてうなされていた。
私はおでこの汗を拭いながら「大丈夫か?」と聞いたら、
「あれ?恭平様??」
美優がうっすら目を開けて話し掛けてきた。
「そうだ、大丈夫か?」
「恭平様が来てくれるなんて、夢みたい。
…いや、夢なのか」
熱のせいか現実なのか区別できていないようだ。
「夢じゃない。…また今度謝るが、今まで冷たくして悪かった」
また美優が驚いた顔をして、
「大丈夫です。
あと、もう少しで恭平様を解放してあげられるので…」
とよくわからないことを言って、悲しそうに微笑んだ。
「よくわからないが、私は解放してほしいなんて思っていない。」
美優はさっきと同じ表情で「そうですね」とつぶやいて、目を瞑った。
ー解放?どういう意味なんだろう。
まさか死ぬわけじゃないよな?
「医師を呼んでくれ」
侍女に焦って話し掛けたが、
「いや、寝ているだけです」と言われた。
よく見るとすやすや寝息を立てて寝ているようだった。
ーびっくりした。熱だから寝ぼけていただけか。
私は美優の髪の毛を撫でた。
…本当は美優の額にキスをしたかったが、
侍女がいたので我慢し、
美優の髪の毛に口づけして部屋を出た。




