【恭平side】スープ~ケーキ作り
だからこそ、自分が気に入ったスープに、
「そのスープ、そんなにおいしいですか?」
と美優に聞かれたとき、バカにされたようでショックを受けた。
ただ振り返ってみれば、
バカにされた訳ではなかったかもしれない。
ー美優はそんなことでバカにしないはず。
私はそう思い、美優を探して謝ろうと思った。
ーすると、料理室から美優と誰か男性の笑い声がした。
同い年くらいのコックと美優の声のようだった。
覗き込むと、
美優が俺に向けるような目線をコックに向けて、仲良く話していた。
ーなんだ、俺にだけにあの目線を送っていた訳じゃないんだな。
誰でもいいんじゃないか。
俺はなんでこんなに自分がイライラしているのかわからなかったが、自分を抑えきれず、
「なにしている?」と話し掛けた。
明らかに焦って説明できない美優をみて、
ー言えないようなことをしていたのか。
噂の彼はどうでもよくなった、次はコックか。
と思ったら更にイライラしてきた。
俺はああいう目線で見られても、美優に恋したりしない。
「ふっ、やっぱり君は想像通りの人間だったんだな。」
「俺は君を好きになることはない。
必要以上に話し掛けないでくれ」
きっと君にとっては些細なことだろうけども。
そう思って美優をみたら、
ポロポロ涙をこぼしていた。
ーなぜだ。そのコックが好きなんじゃないのか?
「わかりました。」
「ご主人様、勘違いしてます。」
「大丈夫です。すみませんが後片付けお願いしますね」
と言って走り去っていった。
私は唖然としてその場に立ち尽くしていたが、
コックが「勘違いです」と話し掛けてきたので、
「聞きたくない」と言って自分の部屋に戻った。




