畑へ2
ー翌日、恭平様と榊様と畑に来た。
恭平様は私の作業服を見て少し驚いた顔をしていたが、何も言わなかった。
「妻の美優だ。
隣の領地出身で畑の状態を見たいと言っている。説明してやってくれ。」
領民たちに向かってそう言って紹介された。
「宜しくお願いします。」
私は農家の方たちに挨拶をしながら、畑を紹介してもらった。
畑は思った以上に状態が悪く、
育てている作物との相性も良くないように思えた。
本当は、自分の出身である農家を何人か連れてきて、こちらの農家の人たちにアドバイスしてもらう予定だった。
しかし、まだ予定が合わず日にちは決まっていない。
農家の人たちがくるのを待ってられないなー。
私はそう思い、どんどん自分でアドバイスしていった。
「この作物はここの気候には合っていないかもしれません。○○とかがおすすめです」
「また、肥料や薬剤を変えた方がいいと思います。例えば…」
最初はなんでこんな貴族にアドバイスされないといけないんだ?という顔をしていた。
しかし、どんどんアドバイスするうちに、
思ったよりも私が作物に対しての知識があることに気付いたのか、真剣に聞いてくれるようになった。
私が一通りアドバイスをして、
少し休もうと座った瞬間、
「君がこんなに詳しいとは思わなかった」
と恭平様に声をかけられた。
恭平様がいたのをすっかり忘れていた。
一応恭平様と話すのが目的だったのに。
あまり貴族が作物について詳しいのはおかしいかな?と思い、
「ま、まだ勉強中ではあるのですが…」
と少し誤魔化して話した。
「ありがとう。助かった」
恭平様が昔と変わらない笑顔を向けてくれた。
私は嬉しくて泣きそうになりながら、
「どういたしまして」とだけ答えた。




