第78話 チーズと言えば?
こちらはカクヨムに掲載された修正版です。
原文ともによろしくおねがいします(*^^*)
トンテンカン、トンテンカン、トンテンカン。
翌日、給食室の隣では彭侯が操るツタたちが大工作業を行っていた。
建てているのは大きめの丸太小屋。
チーズを『熟成』させるのに必要なものらしい。
「……では、あなたがたの熱意にお応えして、チーズ作りの授業を始めたいと思います」
「いよっ!! 待ってました大統領!!」
「やんや、やんや、にゃーーーーっ!!!!」
パフパフパフパフッ!!!!
やたらハイテンションの弥生に合わせてルルたちも大騒ぎ。
最初はお行儀良い優等生だったはずなのに……これは弥生様の影響だろうか?
だろうな……。
ちょっと肩が下がってしまう彭侯。
しかしまぁ、気を取り直して、
「え~~~~~~~~……、一口にチーズと言いましてもその種類は1000以上ありまして、とりあえず有名どころから25種類ほど説明いたしますと……」
言ってカカカと黒板に字を書きはじめる。
クリームチーズ、モッツアレラチーズ、マスカルポーネ、カッテージチーズ、リコッタチーズ、エメンタールチーズ、カマンベール、ブリード・モー、ゴルゴンゾーラ、スティルトン、ロックフォール、タレッジョ、ピエ・ダングロワ、シャブルー、セル・シュール・シェル、ゴーダチーズ、マリボー、パルミジャーノ・レッジャーノ、パルメザン、チェダー、ミモレット、ラクレット、スモークチーズ、スライスチーズ、6Pチーズ。
「とまあ、はなはだ大雑把ではありますがこんなものですね。では次にそれぞれの特徴から説明いたしましょう。まずクリームチーズですが、これはナチュラルチーズの中でもフレッシュタイプに属するものでして、チーズケーキをはじめ、デザートの食材に最も多く使われます。しっとりとしたソフトクリームのような口当たりが特徴です。モッツアレラチーズも同じカテゴリーで、こちらはピザに欠かせないチーズとして広く知られています。柔らかく弾力があり、ほんのりとした甘さが特徴です。マスカルポーネはお菓子作りに欠かせないイタリアの代表的チーズで、クリーミーな口当たりが特徴。少し甘味があります。カッテージチーズにつきましては低脂肪、高たんぱくでダイエット食品として人気の――――どすうっ!! ぐふっ!!??」
「ながーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーいっ!!!!」
案の定というか当然というか、弥生による『ウンチク野郎撲滅チョップ』が脇腹に炸裂した。
「とりあえずチーズフォンデュが食べたいの!! ピザでもいいけど、どーせ小麦粉ないんでしょ!! だったらフォンデュがいい。それ用のチーズだけピンポイントで教えなさいよ!! ピエ・ダングロワとかなに!? 舌噛むわ!! てか6Pチーズとかただの商品だし!!」
「いえ、これはプロセスチーズでしてナチュラルチーズとの違いを説明するためにあえて――――どすう、ぐふっ!?」
「いいから、いま必要なレシピだけ言いなさい!! あとの細かいやつはその都度その都度で!!」
「……で、では……」
痛む脇腹を押さえつつ、しぶしぶ黒板を消す彭侯。
残ったのは『エメンタールチーズ』と言う文字だけだった。
「本当はこれともう一つグリュイエールという品種をブレンドするのが王道なのですが、一度に二つ作るのはハードルが高いと思いますので、今回は一種類だけで」
「そーゆーこと、そーゆーこと。そーゆー柔軟なやわらかユルユル思考って大事ってことよ。ところでエメンタールチーズってなあに?」
「これはチーズの王様と呼ばれているほどの――――う~~~~~~ん……」
またもや余計なウンチクを語りそうになって危うく踏みとどまる。
そしてしばし考えて、
「トムとジ◯リーに出てくる、あの穴ぼこチーズです」
途端。
「それ絶対作るぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!!」
かのアニメの大ファンだった弥生は、いきなりテンションフルMAX。
呆気にとられるルルたちをよそに、黒板に赤文字花丸を描くのであった。
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