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第九部 第七章

 全てが元の通りに戻ったので、早速、魔法使いとヘンリー騎士団長と話をしようと思ったら、すでに騎士鳥に乗ったまま、遠くに飛び去っていてゴマ粒の大きさに見えた。


 しかも、重騎士らしい人も騎士鳥で飛んでいたが、その人はそれを追いかけていったらしい。


「何だったんだ? 」


 陸が呻く。


「というか、これで交渉成立は終わりじゃない」


 天音ががっくりしたように項垂れだ。


「だから、馬鹿だと話しただろう? 」


 そうチョロ熊さんが苦笑した。


 そこへ、次々と鷹のような鳥から滑り込んで来るように転がりながら、大悟と慎也と茜が大陸ドラゴンの背中に転がり込んで来た。


「むう? こやつらはっ! 」


 チョロ熊さんとイーグルベアの手練れがそれに反応して臨戦態勢を取る。


「あ、待ってください。アホな魔法使いを止めに来たものです。そこにいる陸君達の仲間です」


 慎也が叫ぶ。


「女神エルティーナから和平交渉の邪魔をする魔法使いの阻止で向かってきたのですが間に合わなかった。申し訳ない」


 大悟がさっと自分の立場にあった言葉で魔獣に対して話す。


 この辺りは流石であった。


「あれ? 魔獣と話せるの? 」


「出る前に会話スキルを貰ったの」


 天音の疑問を茜が答えた。


「まずは謝罪を。せっかく、獣魔神ライ様が仲間の交渉を受け入れてくださったのに、それをこんな事になってしまいお詫びをさせてください」


 そう大悟が頭を深く下げた。

 

 それに慎也や茜も続く。


「仲間……」


 陸が懐かしい言葉を聞いて何とも言えない顔をした。


 天音が少し嬉しそうに陸に肘打ちをした。


「しかし、本当に魔獣の中に転移したんだな」


 大悟がそう呆れたように苦笑した。


 その顔は昔の幼馴染の時の顔だった。


「その……何か、俺の性格で今まで悪かった……」


 多分、交渉を成功させたので見直してくれたのか、それとも別かは分からないが、陸が大悟に頭を下げる。


「いや、まあ、その性格は今でも嫌いは嫌いなんだけど……」


 その後の身も蓋も無い大悟の言葉で陸が唖然とする。


「まあまあ、昔から大悟はこういう感じだったじゃん! 」


 そう、天音が笑った。


「というか、お前、光ってるの分かってるか? 」


 大悟がそう陸に突っ込んだ。


「へ? 」


 陸が自分を言われて見ると確かに光っていた。


「どこが光ってるの? 」


「光ってる? 」


 天音とか慎也は不思議そうに、そう突っ込んだ。


 彼らには光っているように見えなかったからだ。


「え? 」


 陸が凄い顔をして大悟を見た。


 陸は記憶が戻ったおかげで、これが何か知っていた。


 そして、大悟にそれが見えるには同族で無いといけないという事も……。


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