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第七部 第七章

 大悟と慎也の表情が真っ暗になったのをちらっと見て茜がはっとした顔になった。


「ど、どうなされたのです? 」


 エゼルレッド王が女神エルティーナに聞いた。

 

 女神エルティーナが尋常ではない顔になったからだ。


「なるほど、勇者殿の言う事が分かった。怪物か……」


「ああ……」


 大悟が深い深いため息をついた。


「ど、どう言う事? 」


 凜が不思議そうな顔になった。


「魔獣同士に連携は無い。元々バラバラで動いていたものだからな。だが、あの男がその中核になる危険性が出て来たという事か」


 女神エルティーナが正確に大悟と慎也の懸念をついた。


「ええっ? 」


 エゼルレッド王とクレバリー公爵が驚いている。


「大陸ドラゴンの背の上で、食事を作り魔獣族の大物を饗応するだけでなく、最近は養鶏を初めて畜産をしだしている。それだけでなく植物の栽培までもだ……」


 女神エルティーナがそう震えるように呟いた。


「えええ? そんな馬鹿な事を? 」


 慎也がその事態の深刻さを即座に理解して呻いた。


「嘘だろ。陸じゃ無いな。天音か……」


 大悟は正確にそれを把握した。


 陸ならば、その危険性に気が付くからだ。


「そ、それが……何が? 」


 クレバリー公爵が見当がつかないようで不思議そうな顔で聞いた。


「人族の文化を急速に魔獣に取り入れさせているのだ。つまり、同じような事をしている限り、耕作地も牧草地も同じように必要になる。つまり、その確保でいずれ人族と魔獣族の破滅的な戦いが起こる可能性があるという事だ」


 女神エルティーナが吐き捨てた。


「いや、住み分けは出来るはずですよ」


 そう必死に慎也が話す。

 

 このままでは魔獣族の方で絶対に倒さないといけない相手に陸達がなってしまう。


「本気で魔獣族と人族の対話とすみ分けができると思っているのか? 」


「今なら、人族の文化を学んでいる最中ですから、それは出来ると思いますよ」


「馬鹿な事を。人族にとって魔獣族は不倶戴天の敵だ」


 そう女神エルティーナが憎悪に燃えた目をした。


「いや! それなら交渉役とかさせなければ良かったじゃないですか! あんなことをさせておいて、出来ないと思ってらっしゃるなら何であんなことをっ! 」


「あ」


 それで茜がキレたので大悟が凄い顔になって固まった。


 それを言ったら喧嘩にしかならないのに。


 慎也も苦虫を潰した顔になる。


 どうしょうも無い流れが出来つつあった。

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