第七部 第四章
「私は随分前から、こちらに召喚されてずっと戦って来たよね。しかも、私はすでにランクがに段階上がって<炎の魔術師>になってるのに。あちらはまだ<始まりの勇者>でしょ? それなら私がトップの子爵格で良いじゃないっ! 」
そう、その美少女はその場でエゼルレッド王にまくし立てた。
銀色の髪の美少女で、目は碧眼で勝気な様子だった。
彼女は身長は百六十八センチ体重四十八キロの御門凛であった。
どうやらハーフであるらしい。
腰まであるような長い髪を振りまくように怒っている。
どうも、魔法使いらしいが、魔法使いのローブと言う格好が嫌いのようで、それをおしゃれにあしらって良くある魔法使いのイメージと違う格好をしている。
「まあまあ、気持ちは分かるけどさぁ……」
その後からこれまた大悟達と同年齢っぽいけど、頑丈な甲冑を着こんだ、百八十八センチで体重八十キロくらいの筋肉質のがっしりした男がそう止める。
藤本英明と言い、これまた召喚された男のようだ。
重厚で頑丈な盾を持っており重騎士をやってるっぽい。
「何だ、やっぱり魔法使いはいたのか」
「ほら、ちゃんとした重騎士いるじゃん。良かった。あんな盾役は嫌だし」
「意外と根に持つな」
「賢者がタンク役っておかしいだろ? 」
大悟と慎也が別の事で言い合いしている。
「ちょっと、睨んでるよ」
茜がそう囁いた。
どうやら、自分を無視して別の話をしているのが許せないらしい。
「あんた達も無視しないでよっ! 」
「いや、何が何だか分かんないからな」
そう大悟が呆れて肩を竦めた。
「そもそも、ランクが低いくせに勇者がわざわざリーダーをするって決めつけがおかしいのよっ! 役割で言ったら勇者なんて単なる切り込み隊長じゃないっ! 」
大悟の呆れた様子を見て、さらに凛が激怒した。
「いや、元々は勇者のチームじゃないか。あ、俺は藤本英明。一緒に数か月前に召喚された。見た通りタンク役をやってるよ。<頑強な重騎士>ってクラスを持ってる。まあ、経験したらすぐにランクは上がるから。こっちのキレてんのは御門凛。見た通り我儘だ。<炎の魔法使い>ってクラスになってる。俺と同じく数か月前に召喚されたんだ」
そう藤本英明が自己紹介して苦笑した。
「ああ、俺は那智大悟でこっちのが古関慎也で、こちらの女の子が瀧口茜だ」
大悟もそれで自己紹介した。
どうやら、男の方は性格は悪くないらしい。
横で御門凛はブチ切れていたが。




