プロローグ 第六章
「いや、私達を巻き込んでおいて押し付けるんですか? 」
そう天音が叫ぶ。
それで女神エルティーナがあからさまに引いた顔になった。
「我々とて人類すべての運命ががっているのだ」
そうルドウィン国王が強く話した。
「ええ? 」
天音が鼻白んだ。
勝気なせいか天音はハッキリと言う方だった。
「まあまあ、では、ある程度我々の事も調べてあると言う事ですか? 」
そう陸が微笑んで聞いた。
「うむ。勇者殿とお前が仲が悪いのも、お前達が番外組と言う評判の悪い所に回された問題児という事もな」
女神エルティーナがやや陸達を軽蔑したように話した。
「では、実は彼と仲違いになった話でありますが、ヨイショと要領を使えるようなコミニュケーションを相手が魔獣ですらとれるというスキルを頂けませんか? 」
陸が天音と女神エルティーナの間に入ってそう聞いた。
「ほう。殊勝にも勇者の道案内とかで手伝うと言うのか? だが、我々と話せるように人族の言語スキルは全員にすでに与えてある」
「いやいや、そういうものでは無いです。魔獣と戦うのですよね。ならばその魔獣たちと話が出来るようにしていただきたい。さらに、対話の為に少しでも相手に好感を持たれるようにして下されば……。それならば私がこの問題を解決して見せます」
「ほう、番外組と言われてる割には大きく出たな」
女神エルティーナが苦笑した。
「どうせ、魔獣だからと対話をしていなんでしよ? 交渉の為に使うスキルがあるはずですが……」
そう陸が珍しくグイグイと言う。
「交渉してくると言うの? 」
慎也が驚いた。
「ああ。話して話せないことは無いはずだからな」
そう陸が笑った。
「はははははははははは! 魔獣と話し合うだと? 」
エゼルレッド国王が笑った。
「ええ、魔獣が大進軍して来るのでしょ。なら、会話かどうかは分かりませんが意思の疎通はしているはず。私が行って話し合いをしてきましょう」
「ふむ。良いだろう。だが、お前がやると言い出したのだぞ」
「はい。スキルさえ頂ければ……」
そう陸が言うとともに輝いた。
女神エルティーナがそのスキルを陸に渡したようだ。
「待って……。ひとりで行くの? 」
茜が止めた。
「ほっとけっ! 城に自分達は残っていようとした奴だぞ! 」
大悟が叫んだ。
「いや、それは勇者に対する人質に俺達をするのかと思ったのよ。それなら言いにくいだろうから、こっちからそれを言った方が向こうも助かるでしょ」
そう陸が言うと、女神エルティーナとルドウィン国王がムッとした顔になった。
「なるほど、それでそれをしなかったので、自分と大悟の関係を知っていると見たのか? 」
慎也がその言葉に驚いたら陸が頷いた。
「我らが貴様達を人質に勇者殿を脅すと思ったのか? 」
エゼルレッド国王が震えた様に叫ぶ。
それを侮辱ととって激怒したようだ。
だが、陸は爽やかに笑っていた。