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第六部 第六章

 オーガとの戦いが続いている中庭に大悟が行くと、城から出ようとした大悟の目の前で騎士が真っ二つになった。


 あれだけ重装備で甲冑を着ているはずの騎士が一撃で、紙で甲冑が出来ていたのかと間違えるくらいあっさりと両断された。


 オーガは三メートル近い身長をしていた。


 それだからこそ、あの長大な剣が振るえるのだ。


 大悟の目の前が真っ暗になる。


 当たり前だ、初めての戦いなのだ。


 しかも、これほどの強者だ。


「大丈夫か? 」


 そう言いながらも慎也も真っ青で、無我夢中で魔法陣のような盾の<マジックシールド(魔法盾防御)>を前に展開していた。


 <マジックシールド(魔法盾防御)>は一度展開すると現状の慎也だと五分ほどは使えるらしい。


「何で、すぐに使ったんだ? 」


 大悟が<マジックシールド(魔法盾防御)>を見て、慎也に突っ込みながら、自分も慎也のスキル詠唱がパニックで聞こえていなかった事を思った。


「いや、気がついたら、反射的に叫んでたみたい。全然無意識にやってしまった」


「そうか。実は俺もパニクってまわりを理解してなかった」


 そう二人で大悟と慎也が顔を見合わせて苦笑した。


「ちょっと! 危ないっ! <ブレス(祝福)>! 」


 少し遅れてパニックになってたのか、まだ戦いも始まって無いのに、茜も全員に防御回避攻撃能力をあげる<ブレス(祝福)>をかけた。


 全員が戦いにまだ参加してないのに、身体が光る。


 そのせいで慎也と大悟のパニックが終わって、少し落ち着いた。


「落ち着こう」


 そう自分に言い聞かすように大悟が茜に呟いた。


「いやいやいや! 来た来た来た! 」


 慎也が落ち着いたものの茜がオーガが向かって来てパニックになって叫んだ。


 オーガが剣を振り上げて<マジックシールド(魔法盾防御)>に攻撃をして来た。


 どうやら初めて見るものらしく首を傾げながらだ。

 

 魔法陣の後ろには大悟達がいる。


 それでとりあえず、攻撃して来たらしい。


「「「ああああっ! 」」」


 間近で見るオーガは恐ろしく力強く想像以上の迫力であった。


 だが、<マジックシールド(魔法盾防御)>はそのオーガの巨躯から叩きこまれる剣をあっさりと防いだ。


 信じがたい事に<マジックシールド(魔法盾防御)>は全く揺らいでいなかった。


「そうかっ! 」

 

 大悟が一瞬にして察した。

 

 ビビってはいたが、恐らくは……。


 オーガが剣を再度<マジックシールド(魔法盾防御)>に叩きつけてギリギリと押す。


 力押で<マジックシールド(魔法盾防御)>を抜けないか試しているようだ。


 大悟がそっと、それを見て腰の<勇者の剣>を抜いた。

 


 


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