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第六部 第三章

 話を聞いたチョロ熊さんは止まらなかった。


 是非ビアガーデンとやらをやってみたいとのたまった。


 チョロ熊さんが手伝ったとしても、魔獣一体だけだしなと軽く考えていた。


 だが、チョロ熊さんはスタガルドと言う魔獣族のトップランクが持つ爵位を持つ、超お偉いさんであったのだ。


 日本の爵位に当てはめると、恐ろしい事に伯爵に当たる御方なのだ。


 その御方がノリノリになってしまった。


「いや、お酒はありませんし」


「わしが持ってこよう」


「え? 」


 なんと魔獣のトップランクになると普通に酒を造って飲むらしい。


 そういう事をする隷属する魔獣がいるそうな。


「肉も大陸ドラゴンが食べないと無理ですし」


 こないだ食べたので、一週間くらいは食べ無いはずであった。


「わしが持ってこさせる」


「鍋は粘土を焼いた須恵器しかありませんし」


「人族の奴らが持って来て落としていった鍋が大量にあるぞ」


「ええと……」


 陸が困ったように悩む。


 良いのだろうかと悩んでいた。


「わしに任せろ」


 そうチョロ熊さんはドンと胸を叩いた。


 やっぱり、チョロイよねとか天音がクスクス笑ってたが、同じようなイーグルベアが百頭くらい次々と食材と酒と鍋とかを持って来た。


 チョロ熊と呼んでいたのに、どうも、その大量のイーグルベアはそのチョロ熊さんの言う事を聞いて軍隊のようにキビキビと動く。


「あれ? チョロ熊さんてひょっとして偉いの? 」


 天音がその様子を見てオロオロする。


 すでに、その愛称で後戻り出来ない状況になっていた陸達は黙るしか無かった。


 なんと、昔作った事があるのか、日干しレンガとかを持って来て、竈まで作りだした。


 引くに引けなくなった陸達はそれに従うしか無かった。


 随分と人族は荷物を落としているらしく、鍋だけで無くて、皿も何も全て準備できた。


 そうして、<空飛ぶドラゴン亭>の準備が整いつつあった。


「問題は、調味料だよな」


 そう陸が呻く。


 精力がつくドラゴン塩はあった。


 たが、それ以外には何も無いのだ。


 だが、心配は無用だった。


「ほら、我らが獣魔神ライ様の知恵袋の御方からプレゼントだそうだ」


 そうチョロ熊さんがまさかの段ボール箱をいくつか持って来た。


 何で段ボール箱がと思ったが、本当に向こうの世界から取り寄せ出来るのだとすれば凄い話である。


 そこを開けると醤油や焼き肉のたれや味噌など大量の調味料が入ってた。


 こうして、陸達は完全に引けなくなった。


 <空飛ぶドラゴン亭>をオープンするしか無くなっていたのだ。


 

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