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第五部 第七章

「おおおおおぉぉぉぉおぉぉぉぉぉ! 」


「おおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお! 」


 激しい叫び声が王城の外から聞こえる。


 魔獣に対する備えの為か、王城をとりまく城壁とその外側にかなりの規模で街を全部守る形で城壁があった。


 その外側から異様な声が何度もしている。


「何だ? 」


 大悟が素早く動いて窓の外を観察した。


 それと同時に賢者でもある慎也も窓の外を同じように観察する。


「な、何? 」


 不貞腐れて奥のソファの方側に倒れ込んでいた茜も飛び起きた。


「あれは、確か……」


 大悟が見下す中で頑強な盾を持った別の騎士団が動き出していた。


 それを指揮しているのが老人であるのは暗いでも篝火のおかげで見えた。


 その老人の着て居る甲冑が一番がっちりと作られていて、身分が高いのが分かる。


「あれは、クラスペディア騎士団のハロルド騎士団長ですね。一番お歳を召されているとか……」


 慎也が説明した。


「流石に皆とあいさつをしまくってただけはあるな」


「いや、それは本来は勇者の君の仕事なんだけどね」


 そう大悟の話に慎也が苦笑して突っ込んだ。


「それより、魔法とかスキルとか使えるか? 」


「いやいや、基本の<ヒーリング(回復)>とかしか出来ないよ。<マジックシールド(魔法盾防御)>は習ったけど、かろうじて使えるレベルだし」


 大悟の突っ込みに慎也が答える。


 この世界は戦いの時にスキル名を呼ぶことで発動するらしい。


 だから、慎也は回復系と防御だけ出来ることになる。


 慎也にしたら、どうして賢者になったのかと思うけど、仕方ない。


 自分のクラスもそれぞれ決まっていて、全員が<始まりの勇者>とか、まだ最初のレベルであるようだ。


「<魔法使い>とかを貰えばよかったのに」


「いやいや、それなら、先に言ってよ。そもそも俺達の時には<神官>と<賢者>しかないって言ってたじゃん」


「……わざとかな……」


「まあ、敵に回られた時を考えれば、<魔法使い>は渡さないよね……」


「<勇者>だけで戦えとかどうしょうも無いだろうに」


「それでも<バフアップ(能力向上)>と<スラッシュ(斬撃)>は習ったんでしょ」


「使えるのかね。騎士との練習にしか使って無いし……的に当てるのに使って相手に打ち込んですらいないしな」


「まあ、実戦は違うからね」


「ちょ、ちょっと待って! え? 私達も戦うの? 」


 茜が二人のやり取りを聞いて驚いた。


「当たり前だろ。戦わせる為に召喚したんだし」


「王城のピンチに戦わないと、何を言われるか分かりませんしね。とはいえ、戦闘に使える魔法もスキルも殆ど無いんですけど……」


 慎也が苦笑した。


「私なんか、もっと無いよっ! 皆を祝福して防御と回避能力と攻撃力をあげる<ブレス(祝福)>くらいしか無いのに」


 茜が焦りまくって叫んだ。


 普段は落ち着いてるが、流石に実戦が目の前だと、皆の顔が真剣になった。

 水星の魔女の最終回なんで、投稿時間を、ずらしました。(見れる人はリアルタイムで見なければ。日本人として責務でございます)

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