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第四部 第四章

「で、そのコミニュケーションスキルは戦いに使えるんですか? 」


 智子がいきなり核心をついた。


「分かんない」


 陸がため息をついた。


「コミニュケーションで戦えるとは思えないけど……」


「そうですよね。戦うためのスキルじゃないですし」


 天音と健もそりゃそうだよねって顔をした。


「いや、ただ、相手のこちらのへの感情を良好にするって能力はあるみたいだし、上手くすればって気持ちは持っているんだが……」


「相手のこちらへの感情を良好にするって……何か大きな意味が? 」


 陸の言葉に天音が聞いた。


「いや、合気道の創始者の植芝盛平が『自分を殺しに来た奴と友達になる』って合気道の極意をだな……」


「だと思ったよ。そんな感じで言い出したんじゃ無いかとさ」


 天音が陸の言葉に呆れた。


「いや、まあ、それは戦いの極意ですよね」


 健が少し興奮したように眼鏡を直した。


「いや、極意だけど、使えるの? 」


 智子もそう冷やかに突っ込んだ。


 健が少し考えて首を振った。


「そもそもさ。交渉? 何、それって状態なんでしょ。人族と魔獣は……。そんな状態でそのスキルって意味あるの? 」


「いや、だからこそ、交渉できるようにね……」


「大悟とすら仲が悪いまんまじゃん」


「いや、あの時はコミニュケーションスキルを持って無いから……」


 陸が必死に答える。


 見るからに分が悪い。


「いや、だからそのスキルを持ってたって、意味があるのかって問題で……」


「でもさ。説得って……ようは相手の気持ちをこちらの味方になるように変えるわけじゃない? 今までは敵意だけだったのがさ。味方になるように説得して味方になる事もあるわけだしさ……」


 そう陸が深く考え込んだように呟いた。


「いや、それはそうですけど、難しい話ですよね」


「私もそう思うけど」


「だからさ、相手の敵意のラインが下がってある程度友好的に出来るのは分かっているわけでしょ。そして、おそらく勇者のスキルとかも貰った段階で最高レベルってわけじゃ無いよね。だから、このコミニュケーションスキルもまだまだレベルが上がっていくと思うんだよ」


「それで? 」


「戦争とか戦いには使えませんよね」


「それは思うんですけど……」


「俺はひょっとしてだけど、相手の気持ちをコミニュケーションで変えるって事はある意味洗脳と同じだからさ。究極的には全部コントロール出来るようになるんじゃないかと……」


「「「は? 」」」

 

 陸の言葉に天音と健と智子が固まった。


「そう思わない? 」


 陸が再度駄目押しの様に呟いた。


 陸はコミニュケーションで相手の気持ちを変えることは究極的には洗脳と同じと見ていたのだ。


「「「え? 」」」


 あまりの意見の展開に天音達は固まったままだった。


  

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