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第三部 第二章

 非常に難しい話であるが、陸にとって寄生魔獣の猫達も敵に回せないが、今の段階でまだ女神エルティーナを敵に回すわけにはいかない。


 陸達が彼ら騎士達をどうするかを女神エルティーナが見ている可能性がある。


 非常に難しいがバランスをとるしか方法がない。


 それがたとえ、コウモリ扱いされたとしても。


 現状では状況の把握が出来ていないのだ。


 だから、まだどちらに肩入れするとかしないとかの問題ではなく、とりあえず、彼らを助けて話を聞きたい。


 もう、しょうがないので、勇者召喚で来たとか女神エルティーナの話は当然に全然言わないで、自分達みたいな姿の生物を見た事があるかどうかを知りたいのだと親分にはそれで押し切った。


 我々は微妙に寄生魔獣の猫と違う。


 だから、別の生物なのだが、我々は突然にここに現れたので仲間の居場所が知りたいのだと、貴方達魔獣の猫族と種族的に関係あるのは間違いないと思うのだがと……説明した。


 正直、無理矢理な説得だったなと陸は冷や汗ものだが、とにかくそれで納得して貰えた。


 勿論、親分は人族を助ける? 正気か? のスタンスであったが……。


 天音は医者を目指していると言うだけあって、そういう怪我人や病気の人を助けると言う考え方は常に持っているので、その辺りは彼女の信念なのだろうなと陸は思っていた。


 特に、陸のスタンスはこうしたいって強く思っている人に余程のことが無い限り、反対する様なことは無いから、天音の身の安全の問題だけは話した。


 とにかく、未知の世界なのだ。


 特に、武術に関しては全く分からない。


 ヨーロッパの中世の武術は素手だとレスリング系の技ばかりで、鎧を着てる相手に打撃とかしてもしょうがないので関節部を狙う技を使う。


 まあ、それは日本の古武術も同じであるが……。


 戦闘になれば勝ちようが無いと思われた。


 だから、その辺りを考えながら、相手と交渉せざるをえない。


 特に、自分は学生であって、生死をかけた戦いなどした事は無いのだ。


 この辺りは非常に不安な所である。


 ただ、肉体的には猫の寄生魔族に入っている。


 特に猫科は投げられたりの衝撃には強いはず。


 そこだけが頼みの綱であった。


「まだ、生きてるわね……。もう一人はぐったりしてるみたいで分からないけど、一人は確実に生きてる」


 天音がそう呟いた。


 確か、人間らしい姿は二人いた。


 そのうちの一人は何かしゃべり続けている。


 いや、泣いている。


「エイブラムっ……エイブラムっ…… 」


 生きてる方が動かない方をうわ言の様に呼んでいるようだ。


 その呼んでいる方も脱水症状で寝たままだった。


 それで、天音が走り出した。


 陸も走った。


 天音を止める為だ。


 いきなり近づくのは危ないのだ。


 


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