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最終部 第十四部

「それにしたら、随分と鬱々してたよね、大きくなった陸は……。確かに昔は頭は回って怖いとこもあったけど、馬鹿みたいに陽気な性格だったはずだけど。だから、その宗主候補から降りた時にも私から見ても言うほど落ち込んでなかったように見えたけど」


 天音が不思議そうに聞いた。


「ああ、悪いけど、コンプレックスが溜まって自滅するように俺が陸本人の周りに他人の陰の気も集まるようにしていたんだ」


 そう目の前の先にいる塞ぎ込んだ陸を四季が見た。


「えええ? そんな陰湿な事をしたの? 」


『それは酷い』


 天音と子供の陸が四季を非難した。


「いやいや、お前も地味になるように性格を工作してたじゃん。それに乗っからせて複雑にコンプレックスが溜まるようにしたんだぞ? 」


『げ? 』


「じゃあ、自業自得じゃん! 」


 四季の突っ込みに驚く子供の陸を天音が責めた。


『見たような呪だと思ったんだよな。だから余計に呪を解くのがややこしくて諦めたんだけど……』


 子供の陸が頭を掻いた。


「まあ、俺も今回の件に死んだあとで、俺もかなり神にイジラレてたなと自覚したから、お前が生き返ったら、そういうのやめるように神代の家訓に入れておいた方がいい。こんなに陰湿な精神自爆技は自分でも体験していらんと思う。殆ど、根本の根本は神のコンプレックスなんだけどな」


『分かった』


「素直だな」


『天音にも怒られたし』


「なるほど」


 四季が昔みたいに笑った。


「散々、殺しあってそれって二人とも凄いよね」


「いや、死んで全部解放されたらすっきりしたのもあるな」


『僕も一応、消えるはずだしね』


 そう四季と子供の陸が笑った。


「で、問題はあれだよな」


 そう四季が陸を見て呟いた。


 陸の周りに黒い空間が渦のように取り巻いていた。


「確かに、酷い毒々しい闇だよね」


『いや、四季さんが言ってるのは多分違うよ』


「どれ? 」


『中心の人族の全ての集合無意識の核に馬鹿みたいに光り輝くどでかい核みたいな空間があるでしょ……』


 子供の陸に言われて、天音が気が付いた。


 中心の中核の真っ黒い核の横にどでかい光り輝く空間が核のように丸くくっついている。


「あれは、普通にああなってあるんじゃないの? 」


「いいや、あれは陸のポジティブな精神だよ」


「は? 」


 四季の言葉に天音が衝撃を受けた。


『やっぱり、そうなの? 自分でもびっくりしてるんだけど』


 子供の陸が凄く驚いていた。


「全体の核に近いくらいでかいってどんだけポジティブなん? あの集合無意識の核は恐らく、人族にかかわる集合無意識の集合体の全てだと思うんだけど、それよりでかい」


「ど、どう言う事だってばよ? 」


 天音が焦ったように聞いた。

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