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最終部 第十一章

「やはり、才能と言うのは恐るべきものだな。私には洗脳すら出来なかったのに。眷属として肉体まで変化させるのか……」


 四季がショックを受けて呟いた。


『いや、眷属じゃない。憎悪を受けて変形しただけだ』


「……収拾がつくのか? 」


『わからない』


 子供の陸の素直な言葉で四季は黙り込んだ。


 事態の深刻さに身震いしてるようだ。


「ほら、いい加減だ」


「言わないこっちゃない」


 天音と大悟が突っ込んだ。


「陸の本体を殺した方が良くないか? 」


 熟考した末に四季がそう話す。


「ほら、あんたのせいでこうなったのに、平気だもんな。あんた」


 月兎(ルナ)が吐き捨てる。


「しかし、これから殺せなくなるかもしれんぞ」


 四季がそう返した。


 それは真実の話だった。


 凄まじい変異は大陸ドラゴンにまで及ぶ。


 その肉体が変形を始めた。


 背中の地中に埋まっているはずのドラゴンの鱗が一斉にとがって、四季を襲う。


 四季はそれをすれすれで避けた。


『殺せ! 殺せ! 』


 渦に変わっていく本体の陸が呪いのように叫んだ。


『しまった! そんな、巨大なテレパシーを出しては? 』


 子供の陸が呻く。


 獣魔族の住むあたりから一斉に何かの黒いものが空に向かって飛び立った。


「呼んでるんだ。自分の共有で……」


 大悟が呻く。


『もう駄目か? ……仕方ない。身体を借りるよ』


 そう子供の陸が突然に天音の体の中に入る。


『こっちの気持ちを読んだか? 』


 四季が呟いた。


 もはや、四季もテレパスを隠さなかった。


 天音が最初にしたのは怪物に変わりつつあるヘンリー騎士団長に体当たりして大陸ドラゴンから思いっきり跳ね飛ばす事だった。


「え? そっち? 」


 月兎(ルナ)が驚いた。


『流石、気が付いていたか? 防弾のベルトに仕込んでいたんだがな』


 四季が苦笑した。


 その瞬間変形していく大陸ドラゴンの横で大爆発が起こる。


 それで大気が激しく揺れた。


『神代の開発した小型の超高性能爆弾だ』


「いや、拳銃を撃ち込んでいたんだが」

 

 月兎(ルナ)があきれ果てた顔をした。


『防弾ベルトだと話しただろ? 』


「絶対じゃないじゃん。狂ってるよ、あんた。このドラゴンが落ちれば皆この高さだと無事では済まないのに」


『これで終わらせれると思ったのだが、これも運命か』


 四季がサブマシンガンを渦になっている陸に乱射する。


 陸の身体の残った足のあたりに当たって貫通した。


「嘘だろ? 」


「平気で出来るんだ」


 月兎(ルナ)と大悟が絶句した。

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