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最終部 第十章

 探るように移動しながら、四季がサブマシンガンをこちらに撃ち込んでくる。


「打って出るべきでは? 」


「いや、待て。それを誘っているんだと思う。奴が強いとは言っても数はこちらの方が上だ」


「いや、戦闘員としての訓練を受けてるのは私と貴方だけです。それに私はキメラですし、今なら四季は共有の洗脳は使えません。何故なら、他所にいて、ここに四季がいることを、まだ気が付いてない敵に知らせてしまうからです」


 そう岩魚が月兎(ルナ)に断言した。


「いや、だから、神代の暗部の罠をなめるなと言うのに。あれは相当やばい。御門に対しても粛清の時には動くらしくて、いろいろと情報が洩れているが、神代の暗部の人数が少ない分だけ多対一で戦い方を良く練られてるって話だ。おそらく、罠は私のやったレベルじゃない」


 月兎(ルナ)が真面目に岩魚に答えた。


「なかなか知っているようじゃないか。日葵が知的で月兎(ルナ)はやや短慮とか神代で言われているが、当てにならないものだな」


「いや、あんたとやるなら、皆が警戒するだろ。それだけ神代ではやばいって言われてるって事だ」


「それは困ったものだな」


「ぶっちゃけ、何で陸はそのテレパスの範囲を抑えてるの? 」


 いきなり、天音がテレパスの範囲も分かるはずもないはずなのに、陸に聞いた。


『人族も獣魔族も四季を倒す味方にはなるけど、彼らが四季の場所を知ると押しかけて来て収拾がつかなくなるかもしれないから。特に今の僕の本体を攻撃して貰って、あの状態を刺激したくない』


 そう子供の陸が苦笑した。


「やはり、神人なみに天音に陸は加護か何かを与えて開発してるな。それが読めなくて、こちらに攻め込んでこないんだ。四季は」


 そう月兎(ルナ)が岩魚に説明した。


「なるほど。神クラスと言えども共有の力が使えなければ、戦闘しても神人クラスでしょうからね」


 岩魚が納得する。


 その瞬間に、這って近づいていたヘンリー騎士団長が立ち上がって、天音を襲おうとした。


「ふははははははは! 筋肉は無敵です! 貴方には恩がありますが? これも戦ですのでっ! 」


 そう御鏡の防御陣の外から天音に飛びつこうとした。


 その瞬間に空間が歪む。


『馬鹿っ! 余計な事を! 』


 子供の陸が動揺した。


「しまった。ここまで短慮に動くとは……」


 四季もそう舌打ちしていた。


「御鏡の防御陣からでないでください! 」


「信じられない。精神が実態に影響を見せるなんて」


 健と智子が震えながら、御鏡の防御陣をさらに強く張る。


「うげっ! 」


 ヘンリー騎士団長が肉体を変化させていく。


 手が数本の羽のある異様な怪物に……。


 まるでキメラを誕生させたみたいに……。


 それは渦になった陸がやっていた。


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