第二部 第五章
それから、子猫達は親たちの雰囲気が緩和されたので、また、干し肉を持っている陸や天音達に甘えた。
そして、干し肉を欲しがったが、寄生魔獣の親猫達に怒られていた。
皆の食糧だからと言う事らしい。
それで、その親猫達に陸が上手い事その間にちょろちょろして聞き取り調査をして行った。
そして、寄生魔獣の猫の巣の近くの木の下で、皆で一服している時に話をした。
「どうだったの? 」
「大体、分かった」
「やっぱり、寄生魔獣の猫と人族も殺し合いをしてたのかな……」
少し悲しそうに天音がつぶやく。
「それは、しょうがない事かもしれませんね……」
智子が悲しい顔をした。
人族が勇者を魔獣と戦うために召喚したのだ。
悲しい出来事があって当然だ。
子猫達を可愛がっていただけに、天音も智子も悲しい顔をしていた。
「いや、どうも、犯人はジェイド王国の騎士の生き残りらしい」
「じゃあ、やっぱり、寄生魔獣の猫達とも人族は戦ったんだ……」
天音が少しショックで下を向いた。
「いや、何か大陸ドラゴンを叩くって言うんで数百人で、空飛ぶ鳥に乗って突撃して来たんだと」
「鳥? 」
「魔獣でなく、普通に家畜されてる動物もいるんだって、知能が違うんだそうな。それと魔獣は話し合いができるとかで……」
「そうなんだ」
「それで、大陸ドラゴンの背中に乗り込んできて、一斉に背中に剣を突き立てたり槍を刺したりしてたんだって」
「え? 効きますかね? 鉄の剣では歯が立たないでしょ」
「全部、オリハルコン製だって」
「オリハルコン? あるんですか? 」
「魔獣の中の魔獣の大陸ドラゴンを倒す為に特別に用意したんだろう。それで、一斉に刺したおかげて、大陸ドラゴンが背中が痒かったらしくて、飛びながら反転して地上の木々に背中をぶつけて押し付けて、背中を搔いたらしいんだ」
「は? 」
「え? 」
天音も健も智子も唖然とした顔をした。
「ほら、痒いって実は痛覚だから」
「いや、そんな事を聞いてるんじゃなくて……。どういう事? 寄生魔獣の猫と戦ったんじゃないの? 」
「いや、戦って無くて、それのせいで数匹の仲間が地上に振り落とされたんだと、さらには背中の土も一部駄目になり、木も減った。それで恨んでる。迷惑な奴等と」
「いや、騎士達は? 」
「殆ど、下に落ちたって。木にしがみついてた何人かが残って、そいつらが大切な餌を集めてたら盗んだりするので、それで怒り心頭だそうで……」
「え? でも、子猫を守ったり……」
「困った迷惑な奴等ってイメージみたい。コソ泥みたいな事をするし、前に逃げるので子猫を猫質にして逃げた事があったとかで……」
「なんぞ、それ」
天音が頭を抱えた。




