表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
207/220

最終部 第五章

『まずいな。僕が消えるのはもう少し待ってほしいのに』

 

 指が消えた自分の身体を見て子供の陸が呟く。


「おおおおおおおおおお! 何か流れこんでくる! 酷い憎悪だな」

 

 月兎(ルナ)が騒ぎだす。


『ちょっと憎悪が逆流を始めてるのかもしれない。共有で洗脳されたことが無いものにも多少の影響が出だしてる。共有と言う方式だから、洗脳の全体まで流れているのか……』


 子供の陸が呻く。


「……これは、陸さんが近くにいるから難しいですね」


「二人がかりなら何とか行けるかも……」


 健と智子が御鏡の防御陣を陸以外に張った。


「陸は?」


「呪の根本だから、入れるのは無理です」


「仕方ないですよ」


 健と智子が天音に答えた。


 すでに陸の本体は上半身は黒い渦のように見えた。


「大丈夫なのか? 本体は? 」


「これじゃあ、勝ってもただではすまないのでは? 」


 大悟と天音が心配した。


『まあ、自爆攻撃だからね。事実上の……』


「また、無茶苦茶してるしなぁ」


 子供の陸の言葉に大悟が呻く。


「どうして! どうしてそんな事をするんですか? 」


 茜が叫んだ。


 涙が出ていた。


 陸を心配しているのだろう。


『四季も僕も神代が産んだ怪物だから。だから、これくらいはしないと勝てない。四季には勝たないとまずい。あれは神より厄介だ。神は禍津族と父に対する憎悪があったが、四季は自然体で人を傷つけれる。月兎(ルナ)さんは宗主代行が僕の護衛で監視させるために出すのが分かったから、四季からガードしていた。でも、やはり暁さん達は全部洗脳してたみたい』


「はあああ? 暁さんは何をやってんの? 」


「え? 日葵さんもですか? 」


 月兎(ルナ)と岩魚が驚く。


『それだけタチが悪い』


「いや、私を操ってたあんたもたいがいだけど」


 子供の陸の言葉に天音が呟いた。


『ごめんよ』


「えらく殊勝だね」


「本当だ」


 子供の陸が深々と頭を下げたので、大悟と天音が訝しむ顔をした。


『多分、四季は自分の手で僕を殺しに来ると思う』


「はああああ? それを俺達にやらせる気か? 禍津族の神様に頼めよ! 」


「それか月兎(ルナ)さんにぃぃぃ! 」


 大悟と天音が絶叫した。


『いや、コントロールされる可能性がある』


「何で、私とかコントロールされないわけ? 」


『完全にパーフェクトに防御されるように僕がしたから』


「いや、お前、あんま変わんねぇぞ! 四季さんと! 」


「ふざけんなよ! 」


 大悟と天音が絶叫した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ