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最終部 第四章

 凜の連続攻撃が四季を掠める。


 女神エルティーナに加護を得たせいで祝い言葉でさらに強めた爆炎攻撃は凄かった。


「糞っ! 陸が自爆攻撃をしてくるとは思わなかった! 」


 四季が吐き捨てるように呟いた。


 テレパスは自分の居場所がばれるので使用して無かった。


 キングオーガの鉄球の攻撃も続く。


 四季は自分が覚醒しているのを見せないために、隠形と言うべき気配や力を断つ事を祝い言葉を習う過程で学んだことから増幅と進化させて、それを身につけていた。


 その為に、完全なる隠形を遂げており、自分のいた場所から逃げ続けていた。


 隠形で隠れている以上洗脳と共有の力は全く使えなかった。


 さらに、陸が行った自分に対する憎悪を皆に逆流させているものは根本の四季にも流れ込んでいた。


 震えが止まらない。


 僅かでも自分のその共有の洗脳の力を使うために扉を開ければそれは流れ込んでくる。


 そうなると自分の意識がどうなるか。


 さらに共有の洗脳を四季が使った事に気が付くことのできるものは四季を見つけてしまうだろう。


 だからこそ、四季はもはや共有の洗脳は使えない。


 それで必死キングオーガと凜達から離れるものの、キングオーガも凜も無茶苦茶攻撃的なのが表に出て、どこかにいるはずだと言う適当さで相手を探さずに滅茶苦茶にランダムに周辺を攻撃し続けていた。


「こうなると、陸が暴走で心が壊れて死ぬか、それとも俺がこの無茶苦茶な攻撃で死ぬかの勝負だな。まさか、獣魔族と人族も全部を陸を殺すために動員をかけたのは失敗だった」


 四季が舌打ちした。


 動員をかけたばかりに、それなりに森などでいるゴブリンや冒険者などが四季を憎悪して捜索を開始していた。

 

 しかも、それらを倒すのは容易でも、倒した段階で凜とキングオーガだけでなく、追加で参加してきた獣魔神ライと女神エルティーナが上空から探していたので察知される恐れがある。


 自分の打っていた手が全部オセロのようにひっくり返されたのだ。


「だが、陸も相当キテるはず。もう少しすればいくら奴でも……いや、死ぬ覚悟なら……」


 今の陸ならともかく、昔の子供の陸は常にやり過ぎる性格であったことを思い出す。

 

 凄まじい火球が四季のいる場所の少し先の山を破壊した。


 山に逃げていたら終わっていただろう。


 そして、女神エルティーナは水源に雷を落とした。


 四季がその時に水を飲んでいたら一撃で死んでいただろう。


 そうやって、人族の神と獣魔族の神である女神エルティーナと獣魔神ライは包囲の輪を少しずつ縮めていく。


「いずれ、人族の軍隊も来る。獣魔族のものも来るだろう。そうなれば終わりだ。場所がばれたら終わりなのに、奴らに人海戦術などやられたら見つかってしまう。ならば……一か八か……やはり私自身でするしかないか」


 そう四季が背中に吊っていたSIG MPXを出した。


 アメリカのSIG社の開発したサブマシンガンであった。


 彼はそれを分解してこの世界の禁忌に触れないように持ってきて組み立てていた。


 四季もまた相当な戦闘訓練を受けていた。


 だが、宗主候補を降ろされた為に陸は受けていない。


 だから、これは最後の手段だった。



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