第二十一部 第八章
「あ前っ! 乙女の柔肌とか恥ずかしいとこを見ておいて、さらに戦闘マシーンまで? 」
天音がそう叫んで、凜と戦う。
なんと、凜が祝い言葉と女神エルティーナの加護の魔法を詠唱しようとすると、それを先回りして顎を打撃で攻撃して言わせない凄さだった。
そして、いくつものフェイントを使った信じがたい連続の足蹴りの動きで蛇の刃の剣を落とした。
「なんだ、この蹴りはぁぁぁ! 」
天音が自分で叫んでいる。
「素晴らしいでしょ。空手とかジークンドーとかやってるおっさん達を操って、教えてもらって練習したの」
子供の陸が鼻高々で威張る。
「あたしの身体でふざけんなぁぁぁ! 」
天音が絶叫した。
「でも、そのおかけで、今度の国体で陸上選手で出るんでしょ。身体強化もしまくっているから、多分、日本一になれると思うよ」
「いかにもしてあげたんだよって感じで言うなっ! 」
子供の陸が優しく微笑んだので天音がさらに激怒した。
「良い話じゃん」
そう月兎が拍手して褒めていた。
「まあ、神代家ってこんな感じですからね」
戦いの合間で智子がチラ見して苦笑した。
「いやいや、あんたが戦えよっ! 」
「神がいなくなっちゃったし。こうなると本当に宗主同士の戦いだから、神代家としては手が出せない」
「ですよね」
月兎と岩魚がそう座って見学しながら頷きあう。
神代家の宗主同士の戦いとなると手が出せない。
「いや、御鏡は排除に動いてんだろうがぁぁぁ! 」
「それは御鏡の判断だし、我々、神代とは別だから」
そう言って月兎はさらに寝ころんだ。
「ざけんなぁぁぁ! 」
天音が戦いながら叫んだ。
「その調子で御鏡はミサイルを全部潰しちゃって。元々、神代家は共有の洗脳を使って戦うのでミサイルとか不得手だったんだ。だから、対神か僕かわからないけど、それを殺すための必殺で準備してたはずだ。そういう意味では、イーグルベアを使ってミサイルで攻撃するってのは準備が出来てないって事だから。今がチャンスだ。それにしても、これで最終兵器天音を使ってしまった」
「なんだ! 最終兵器天音って! 」
「奴もまだ隠しているだろうけど、天音にもまだまだ秘密があるのさ」
「てめぇ! 乙女の身体とか全部見たりしてたくせして、格闘技とか勝手に教え込んだ挙句、まだあんのかっ! 」
「当たり前だ。神と戦う最終兵器が天音だったんだ」
「おおおおおお、神代家の本道を行く話だな」
「えげつないとこ見事に受け継いでますね」
月兎と岩魚が子供の陸と天音のやりとりで拍手した。
「糞しかいねぇぇぇ! 」
そう凜をその武技で圧倒している天音であった。




