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第二十一部 第二章

 四季が丘の上に現れた瞬間に、キングオーガは目標を変えた。


 神の願いを先に潰すように走って四季のいる丘の方に向かう。


 鉄の棒で作った巨大な剣を今度は槍のように突き出す。


 <滅び>が身体を持たないように、それは必殺の動きで心臓を狙って走りながら繰り出される。


『あああっ! 待て! 凜、あの攻撃を防げっ! 』


 凜の身体を最後の力を使わせて、全力て向かわせてキングオーガの剣を盾として自らに受けさせるようにさせた。


 それで凜が仁王立ちになって四季を守った。


 その瞬間に、神は四季の身体に移動を始めた。


 だが、キングオーガの方が突きを繰り出した剣を持つ片手と逆の片手で懐から、蛇のような刃をした短剣を出すと、仁王立ちをしている凜に投げ渡した。


 それを仁王立ちしていてる凜が受け取ると移動している神の霊体に背後から突き刺した。

 

 その蛇のような刃は深々と神の背後から心臓のあたりを貫いた。


『何? 』


 神が凄く驚いた顔で凜を見た。


 だが、凜は微笑んだままだった。


「やはりね。貴方の為にずっと忠誠を尽くしていた禍津族の御老人と貴方が霊体のまま話している時だけど、貴方がその蛇のような刃をした短剣や槍を見た時に目に脅えがあったから、ひよっとしてって思ったんですよ……」


『貴様……』


「やはりいろいろと気が付いてませんでしたね。貴方は本当に油断だらけでしたもの」


『ど、どう言う事だ? 』


 神の刺された場所が渦のようなものができ始める。

 

「私も少し前に覚醒したんですよ。なるほど共有か。洗脳ではなく共有とはよく言ったものです。その洗脳とか受け入れるたびにこちらに素養があれば、それは共有と言う形で開いていく。陸も貴方が洗脳をするうちに覚醒したんでしょ? 私も貴方の洗脳を受けているうちに共有する形で覚醒のやり方が分かってしまいましてね」


 四季が微笑んで話す。


 目の前でキングオーガと凜が四季にひざまずいた。


「やはり、貴方は大したことが無いなぁ。隙だらけなんだもの。自分が洗脳したと思ったら、全く警戒しないしねぇ。すでに、こちらが凜とか再洗脳してたのに気が付かなかったでしょ。そりゃ、貴方じゃ負けますよ」


 四季が神を蔑み見るように笑った。

 

 蛇のような刃物の刺さった部分が渦になり神の身体が塵のように消えていく。


『信じられん! 』


 消えていく自分を信じられない顔で神が見ている。


「普通に考えたら、一人だけしか覚醒しないなんて事は無いのに……。やっぱり貴方は私の敵ではない。それに比べると……」


『陸……君は危険だ』


 その凄まじいテレパスが響く。


 四季は遠くに見える巨大なドラゴンを見て笑った。




 


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