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第二十部 第十一章

「神代の一族を支配しようとする滅びとか言う自称神を倒すために動いてるんだ。そこの陸の分身みたいなものだよ。子供の時に覚醒して戦う準備をするために分かれたの」


 そう子供の陸がチョロ熊さんに説明するが、チョロ熊さんは真剣な顔で首を傾げていた。


「まあ、分かれて分身とか不思議だもんな」


 陸が苦笑した。


「子供の姿をしているが? 猫科の魔獣に転移させられた時にはここにいる猫の魔獣になっているものは全部が子供だったのか? 」


 チョロ熊さんがそう聞いた。


「いやいや、これは子供の時に分離したから」


「子供の時に分離? 」


「魂を分離させたそうです」


 そう陸が話す。


「他人事みたいだな」


「いや、俺は知らんかったので」


「同一人物なのにか? 」


「ええ」


「どんなんだよ。人族ってそんなに器用なのか? 」


「いや、こいつだけです」


 そう大悟が話す。


「ううむ」


 チョロ熊さんが唸る。


「それよりも、さっきの獣魔神ライの恩顧って何なのか知りたいんだけど、まさか、神の加護を与えて無いよね。獣魔神ライの……」



 子供の陸が恐る恐る聞いた。


 それを一番恐れていたのだ。


 そして、チョロ熊さんの答えは最悪だった。


「受けておる。獣魔神ライ様は本人の働きには報いるからな」


「うわぁ、最悪だ」


 子供の陸が顔を覆った。


「え? え? 」


 陸が理解したけど、理解したくないらしくて動揺していた。


「となると凜は神を運んでいるだけか? 」


「そうなる。本命は四季おじさんだ」


 大悟の言葉に子供の陸が即座に答えた。


「どういう事? 」


「そうか、四季さんを自分の身体にしてしまえば、獣魔を操れるようになるんだ」


 慎也も即座に気が付いた。


「まずいな。やはり自称神は一番強い四季おじさんの身体を使うのか。無茶苦茶強い上に、今の陸は宗主を降りた後に奴に篭絡されているから戦えないかもしれん」


「え? 陸はあの時から取り込みされてんの? 」


「そんな裏のある人だっけ? 」


 月大悟と天音が驚く。


「自分の本音は見せずに利用するために、君のためにって優しさのように見せれるのが神代の特性で、それの一番図抜けて優れているのが四季おじさんだ」


「えげつないねぇ」


「えげつないですね」


 子供の陸の言葉に慎也と健がドン引きした。


「いや、そんな人じゃないんだ! 四季おじさんは! 」


 陸が叫ぶが子供の陸は冷ややかにそれをそれを見ていた。


「同一人物なんだよな」


「そのはずですが……」


 チョロ熊さんが動揺してその様子を見ていた。

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