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第二十部 第十章

「戦闘は苦手なんだがな」


 暁がそう呟いた。


 禍津族の老人の背後に突然、暁と宗明と茂と日葵が現れた。


 弥生がここから来ると聞いて、ここの磐座に現れたのだ。


「え? すでに始まってんの? 」


 目の前の惨状を見て宗明が呻く。


「禍津族は陸と組んだんじゃなかった? 」


 暁が驚いている間に、日葵が低い体勢で禍津族の老人に体当たりをした。


 そして、容赦なくそのまま接近戦で拳銃を相手に乱射する。


 それが全て禍津族の老人の腹部に当たって血が飛び散る。


「あああああ、神の僕である禍津族の御方が! 」


 そう弥生が発狂したように叫ぶ。


「いやいや、そういう神の対決には不介入だって、言ったろうに! 」


 暁が妹の弥生に怒鳴る。


 だが、洗脳が効いてるのか歯をむき出しにして睨む。


「いい加減にしないさい! 」


 その時、茂が前に出て、弥生を平手打ちした。


 学と淳はそれを呆れたように見ていた。


 茂は御門家の当主だし、その行動に逆らえなかった。


「なんか、どこぞのドラマみたいだな」


「現実は違うけどな」


 宗明の突っ込みに暁が愚痴る。


 頬をひっぱたかれた弥生は茂の顔面に上段突きを放った。


 神代に伝わる武術である。


 茂は鼻を潰されて鼻血をまき散らしながら吹っ飛んだ。


 そして、弥生が茂に馬乗りになると、古流の鉄槌と言う握り(グーで握って小指の方側で叩き続ける)で茂を叩き続けてボコボコになっていた。


「こんなもんだ」


 暁が肩をすくめると、思いっきり本気の蹴りで馬乗りになった弥生の背後から顎のあたりに一撃当てた。


「容赦ないな」


「まあ、逆に茂が逆上させてくれてよかったよ。神人として戦われると厳しかった。強いからな」


 そう暁が苦笑した。


「妹を背後から蹴りますか? 」


「緊急時だしな。仕方ないだろ」


 そう日葵に言いながら、暁が特殊なビニールテープでぐるぐる巻きに手足を縛る。


『御子よ。申し訳ない。敗れました』


 そう頭に響く。


 そして、刃が蛇のようになった小刀でのどをついた。


 そのまま塵になっていく。


「いや、こっちが先だったんじゃないの? 」


「未知の敵と戦うのはなぁ」


 宗明がそれを見て暁に突っ込むが、暁は苦笑した。


「御門の当主と俺が命じるのだが、やはりキメラも洗脳されてるのかな? 」


 暁がそう鈴虫と蟋蟀に話しかける。


 その時に激しい銃声がする。


 小型の短機関銃を日葵が背中に持っていたので、それで鈴虫と蟋蟀を攻撃した。


 鈴虫と蟋蟀が倒れて動かなくなった。


 その場所は鈴虫と蟋蟀がいると思って暁が声をかけた場所と違っていた。


「あら? 」


「すでに幻覚を見せられてますよ」


 日葵が呆れたようにつぶやいた。


 そして、学と淳も拳銃で鈴虫と蟋蟀を撃っていた。

 

 三人で倒していたのだ。


 暁がちょっと恥ずかしそうにため息をついた。

 

 


 

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