第二十部 第一章
大陸ドラゴンを陸が旋回させる。
獣魔神ライの元へ向かう気だ。
完全に共有の洗脳で大陸ドラゴンをコントロール下に置いた陸は大陸ドラゴンの首に乗っていた。
彼の肉体は高度に猫科の魔獣化を強化されており、バランス感覚とかは非常にレベルアップしていた。
「ううううむ。まさに古き良き特撮の一場面ですね」
「ああ、確かにありそうだ」
健の言葉に慎也が同意した。
「あのさ、そのまま行く気なのか? 」
「ああ、こちらに敵意はないことはさっきから、共有で大陸ドラゴンを通じて連絡してある。レベルの高い魔獣同士にはある種のテレパスのようなものがあるようだ」
大悟が不安そうに聞いたら陸は安心するように話す。
「そっちじゃなくてさ。悪いんだけど……悪いんだけどさ。子供の陸に聞きたいんだけど、おじさんは味方なのか? 」
大悟が子供の陸に聞いた。
「やっぱり、大悟は凄いね。そこだよね。問題は」
「いや、調味料もくれたし、風力発電の機材もくれたし、それを考えたらフォローしてくれてたんだから。特に獣魔神ライの間を取り持ってくれていたんだ。味方に決まっている。四季おじさんが敵な訳ないじゃん」
陸がそう必死に答えた。
少し焦りも見えた。
「いや、お前も分かっているんだろ? 」
大悟が陸に話す。
「何をだ! 」
陸が怒鳴った。
それで天音とか驚いた。
「お前は四季さんに憧れていたからな。まあ、それは俺も少なからずある。だけど、考えろ。多分、凜さんは神がつく中核じゃない。多分、四季さんのがそういうのが上だ。そして、子供の陸がブラックボックスにして共有で見えないようにしたって話からすると……」
「いや、無いよ。ありえないよ」
陸がライオンの顔で首を振る。
「つまり、四季さんこそが敵ではないか。しかも、神とつながるラスボスに近いのではと言う事ね? 」
天音がさらりと話す。
「いや、お前、どうして、そんな風に直球で言うんだよっ! 」
「そういうのはオブラートに包んで話さないと! 」
大悟と茜まで参戦してきて突っ込んだ。
「相変わらず、空気が読めないね」
慎也が苦笑した。
「ああいう人だったんだ」
「番外組に来るだけはあるって事ですね」
健と智子が納得したような顔をした。
「番外組はこいつの面倒を見ろって言われたんだっ! 」
天音が陸を指さして騒ぐが、誰も信じなかった。




